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園内にある療育施設「城山BOND」 子どもと保護者に寄り添う新しい支援

「療育に通わせたいけれど、仕事を早退しなければ間に合わない」

 発達が気になる子どもを育てる保護者の中には、そんな悩みを抱える人も少なくない。療育施設の多くは保育園や幼稚園とは別の場所にあり、送迎のために仕事との両立に苦労する家庭もある。子どもの成長を支えたい。しかし、仕事や家庭のこともある。そんな保護者の願いが形になった運動個別療育施設「城山BOND」が今年4月に開所した。

保育と療育がつながる、園内療育という選択

 城山BONDの大きな特徴は、こども園の中に療育施設があることだ。77年の保育の歴史をもつ石川キンダー学園が運営する城山みどりこども園。在園児は保育時間中に療育を受けることができ、送迎不要。園内にあることで、療育スタッフと担任の教諭との情報共有がしやすい点も強み。事業全体として、療育先と園との連携が課題となっている。保育と療育、それぞれの視点を持った職員が関わりながら、支援の方向性を確認し合えるため、子ども自身も混乱しにくく、一貫したサポートを受けられる。

つながりを大切にした施設名に込めた思い

 「BOND」は英語で「絆」「つながり」を意味する言葉。日本語で親しまれている接着剤の「ボンド」のように、人や環境とのつながりを大切にしたいという願いが込められている。「ボンド」という濁音は子どもが発音しやすく、親しみを持って呼んでもらえるよう名付けられた。

 さらに、石川キンダー学園のロゴに保育園・幼稚園・こども園共通で「八咫烏(やたがらす)」を用いていることにも意味がある。八咫烏は、日本神話に登場する3本足のカラスで、「基礎のあるこども」「自分の足で歩めるこども」「他者との関係を築けるこども」という3つの柱を象徴している。

子ども自身が選ぶ、主体性を大切にした運動療育

 療育は1回40分間の個別対応。最初の10分はバランスボールに乗りながらスタッフと対話し、その日の体調や気持ち、変化などを確認。緊張をほぐしたあと、子どもと一緒にその日取り組む種目を選び、取り組んでいく。やらされるのではなく、自分で決めて選ぶことで、最後までやり遂げる力や意欲にもつなげている。

 「思いきり走ったり体を動かして発散したり、子どもたちがのびのび運動できるように、ワンフロアの正方形の設計にしている」と、城山BOND施設長の冨来(とみき)悠奈さんは話す。言語や学習の土台には、姿勢保持や身体と目の協調運動などの「身体づくり」が欠かせず、その基礎となるのが運動であるため、BONDでは個別運動療育を取り入れている。城山BONDのスタッフ全員が幼稚園での担任経験者や作業療法士の有資格者で、集団に向けた視点を持ち、子どもの発達における専門知識を持ったプロである。

子どもだけでなく、保護者にも寄り添う場所

 療育後には保護者へのフィードバックも行われる。子どもの様子だけでなく、保護者の不安や困り事を相談できる場にもなっている。発達支援室の隣にはマジックミラー付きの部屋があり、保護者が療育中の様子を見ることも可能。1時間後のお迎えも可能で、連絡帳や写真を通して、その日の活動内容を知ることができる。

 利用には自治体への申請で通所受給者証の発行が必要だが、診断書や意見書、面談等を経て取得可能。週1回から利用でき、希望に応じて回数を増やすこともできる。板橋区在住の未就学児の場合、利用者負担は無償化対象となる。診断の有無にかかわらず、子どもの発達が気になる人や少し相談してみたいという人でも、随時、見学や相談を受け付けている。施設名に「城山」と付いているが、学校法人石川キンダー学園の在園児以外も利用可能。

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