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板橋区立熱帯環境植物館で「らん展」 初のパルダリウムやテラリウム展示も

雲霧林に自生するランの姿を水槽内で再現したパルダリウム展示

雲霧林に自生するランの姿を水槽内で再現したパルダリウム展示

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 板橋区立熱帯環境植物館(板橋区高島平8)で1月4日、「らん展2022~お家で楽しむテラリウム・パルダリウム~」が始まった。

寅年にちなみ、トラ模様のラン「タイガーオーキッド」の写真展示も

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 同館は東南アジアの熱帯雨林を立体的に再現した巨大ドーム型温室など4つのゾーンで構成された常設展示室を持ち、雲霧林(うんむりん)をテーマにした冷室ではランを始めとした熱帯の高山植物を間近で見ることができる。地下にはミニ水族館もあり、「ねったいかん」の愛称で地域住民から親しまれ、土日は地域住民の親子などでにぎわう人気スポットとなっている。

 例年年明けに同館では「らん・ラン・蘭展」の名称でランを紹介する企画展を行ってきたが、2階の企画展示室で今回行う「らん展2022」では新たな試みとして、熱帯雨林の中でたくましく生きるラン本来の自生環境を水槽内に再現した「パルダリウム」展示や、木の幹や岩肌に着生するランの姿をガラス容器に収めて観賞する「テラリウム」展示を同館としては初めて行う。

 街なかで通常見掛けるランは観賞用に鉢植えされた状態が大半だが、自生環境下では地面に生えるタイプの「地生(ちせい)ラン」よりも、木の幹や岩肌に着生して生える「着生(ちゃくせい)ラン」の方が多いという。熱帯や亜熱帯の自然環境下では、木や岩の上に根を張り、厚い葉や茎の一部が球状に肥大化した「バルブ」と呼ばれる貯蔵器官に雨水や空気中の水分に含まれる少ない養分を蓄えて自生する。同館職員は「自生環境に近い状況で育成されたランの特別展示を通じて、ラン本来の姿に触れていただき、魅力的なランの世界をより深く楽しんでほしい」と話す。

 企画展示室では、2017(平成29)年に南硫黄島で発見された絶滅危惧種のラン「シマクモキリソウ」の79年ぶりの開花や、その発見と培養について「ランとSDGs(エスディージーズ)」と題して掲示紹介。国内でも開花事例が珍しく、同館では2019年8月に初めての開花に成功した世界最大のラン「グラマトフィルム・スぺキオスム」(通称=タイガーオーキッド)を、今年の干支(えと)である寅(とら)にちなんで開花写真などを展示する。

 そのほか、1月12日~14日の3日間は同館職員が企画展を解説するガイドツアー「チョコっとガイド」(各日11時~先着10人)や、ランの展示販売、「神代洋らん友の会」会員によるラン展示も行う。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。入館料は、一般=260円、小中学生・65歳以上=130円、未就学児無料。土曜・日曜は小中学生入館無料。1月11日は休館。1月16日まで。

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