板橋区出身、極真会館・下赤塚道場（練馬区北町3）の南原健太選手と成増道場（板橋区成増3）の“ブラックパンサー”ベイノア選手が4月2日、国立代々木競技場・第一体育館で開催された格闘技イベント「RISE ELDORADO（ライズ・エルドラド）2022」に出場。共にKO負けで敗れた。

大会前日、計量・会見後のベイノア選手・那須川天心選手・南原健太選手の3ショット

　「RISE ELDORADO」は、キックボクシングなど立ち技打撃系の格闘技大会「RISE」を主催するRISEクリエーションが年1回開く格闘技の祭典イベント。今大会はメインイベントで那須川天心選手がRISE卒業マッチを行うことから、大会前から話題を集めていた。卒業マッチのほかにも格闘技ファン注目のカードが並び、ふたを開けてみればオープニングファイト4試合を含む全16試合中11試合がKO決着。うち5試合が1ラウンドKOという結果に、SNSなどで格闘技ファンが熱狂した。

　南原選手の対戦相手、カリュ・ギブレイン選手（ブラジリアン・タイ）は総合格闘技イベントHEAT（ヒート）の元ヘビー級王者。総合ルールで6戦5勝1敗5KOの実績を引っ提げてキックボクサーに転身後の第1戦で、迎え撃つ南原選手も2020年7月のRISEデビュー以来3戦3勝3KOと快進撃を続けていることや、今大会唯一のヘビー級マッチとあって注目カードの一つとなっていた。

　大会前日の公開計量では、ギブレイン選手が105.7キロに対し、南原選手は89.5キロ。16.2キロの体重差に南原選手は「所属している極真の大会では無差別級で戦ってきたので、あまり気にしていない」と話していたが、迎えた第3試合目、1ラウンド目開始のゴングからすぐに距離を詰めたギブレイン選手のストレートが南原選手の顔面を捉え、パワーだけでなく手数の多いギブレイン選手の猛攻に南原選手は防戦一方。重いパンチでガードを崩された南原選手は2回のダウンを喫したもののミドルキックやパンチで応戦しハイキックを首筋に当てたが、ギブレイン選手の勢いは止まらなかった。ダメージもあってか本領を発揮できないまま、ギブレイン選手のストレートを頭部に受けた南原選手はコーナーまでよろめき、3回目のダウン。1ラウンド2分6秒、KO負けでデビュー4戦目にして初黒星となった。

　大会のネット生中継を見た視聴者からはギブレイン選手に対する驚嘆の声が上がり、SNSには「パワーの差が明らか」「圧殺された」などという投稿が見られた。敗れた南原選手に対し、大会終了後の総括インタビューでRISEクリエーションの伊藤隆代表は「あれがヘビー級。へビー級でアームブロックして止まったら、やっぱりやられてしまう。これが中・軽量級との違い。浅い蹴りでは止めることができないのもヘビー級の面白さ。体重差もあった。今後は大きい相手と再戦していかねばならない。戦い方の違いが分かったと思うので、がんばってほしい」と励ました。

　一方のベイノア選手は、大会前日の会見で伊藤代表が勝者はイ・ソンヒョン（RISEミドル級王者）のタイトルに挑戦でき、8月のGLORY（グローリー）との対抗戦にも出場できるという特典を発表した第8試合に登場。極真全日本軽量級優勝の実績をベースに南原選手よりも先にRISEのリングに上がってキックボクサーとして白星を重ね、第2代RISEウェルター級王者としてRIZIN（ライジン）にも参戦し総合格闘技にも挑戦。今大会の対戦相手・海人選手（TEAM F.O.D）とはシュートボクシングの大会「GROUND ZERO TOKYO 2019」で対戦し、判定で敗れて以来2年2か月ぶりの再戦となった。

　1ラウンド開始と共にベイノア選手はキックとストレートを織り交ぜて矢継ぎ早の攻撃を見せたが、海人選手のカウンターパンチを顎に受けてダウン。ダウンカウントにすぐさま立ち上がってみせたが、おぼつかない足取りにレフェリーがストップを告げ、1ラウンド41秒で無念のKO負けとなった。

　南原選手とベイノア選手は極真会館東京城北支部で共に指導員も務める、板橋区出身の後輩と先輩。大会終了後にツイッターで、南原選手は「自分の弱さを痛感しました。また出直します」と投稿し、ベイノア選手は「1ラウンド一撃！…されました。またイチから押忍します」と投稿。翌日には大会終了後の2ショット写真と共に「強くなって戻ってきます」（南原選手）「やってくのみ」（ベイノア選手）と投稿（以上原文ママ）し、再起を誓った。