地域エネルギー会社「めぐるでんき」(板橋区板橋3)が12月22日、おむすびカフェ&多世代交流スペース「板五米店(いたごこめてん)-旅とお結び-」で事業関係者向けに「望年会(ぼうねんかい)」を開き、「めぐるスイッチ」前期報告会と2020年度から取り組む「めぐるトーク カフェ&バー」の概要発表を行った。
12月15日に正式オープンしたばかりの板五米店で開かれた「望年会」
同社は「エリナス・パワー・マーケティング」(東京都千代田区)と連携し、2019(平成31)年4月から板橋区内への電力供給を行い、板橋区立の全小・中学校73校にCO2排出量ゼロの太陽光発電など「脱炭素化電気」の順次供給を行っている。4月15日は、板橋区・練馬区・北区・豊島区の一般家庭と店舗などに向けた低圧電力の販売も始めた。一方、都内初の「地域新電力」会社として2017(平成29)年8月の創業以来、オフィスの一部をイベント・ギャラリースペース「クリエーションスペースen∞juku(エンジュク)」として開放し、障がい者福祉やソーシャルデザインなどに取り組む地域団体や事業主の支援など「地域の未来をつくる活動」に注力してきた。
2019(平成31)年4月には、電力版地域応援プラットホーム「めぐるスイッチ」の運営も開始。めぐるでんき契約者が支払う電気代の一部が「めぐるスイッチ」に参画する地域活性化につながる活動やプロジェクトに還元される応援資金の原資となって、「地域活性化する人と応援する人が共創し、地域貢献の取り組みを持続可能なものにしていく」マイクロファンディングの新たな事業モデルに取り組んでいる。
「めぐるスイッチ」初年度プロジェクトとして採択されたのは、板橋区のママ・コミュニティー「マムスマイル」や、ものづくり交流場の設立を目指す「ひらめきドア」、蓮根地域に暮らす親子や高齢者施設の居住者らとの交流イベントを手掛ける「蓮根つながり広場」など全9プロジェクト。板五米店も「めぐるスイッチ」のプロジェクトとして参画している。
「望年会」会場には参画プロジェクト関係者らが集まり、4月から9月までの前期6カ月の電力契約で支払われた電気代から算出した還元額29万4,000円を、各プロジェクトが「めぐるスイッチ」のプラットホームサイトに投稿した活動報告などに対する「オッケー」数に応じて按分(あんぶん)した分配額を発表したほか、めぐるでんきの新たな取り組みとしてen∞jukuを会場に「再生可能エネルギー」や環境問題・防災などについて同社スタッフが講師を務めるトークイベント「めぐるトーク カフェ&バー」の毎月開催を発表した。
「めぐるトーク カフェ&バー」の初回は1月16日、ドイツのエネルギーを中心とする地域公共サービス会社「シュタットベルケ」をテーマにしたトークを行う。18時30分開場、19時開始(21時終了予定)。定員20人。参加費500円。
めぐるでんき社長の山川勇一郎さんは「電気の切り替え推進はまだまだこれから。認知度を今以上に広げて、大手電力会社以外の選択肢があり、ただ電気代が今までより安くなるというだけでなく、契約することで地域支援や環境改善にも貢献できるわれわれのようなサービスがあることを知ってもらう必要がある。めぐるトークもその一環で、身近なようであまり知られていない電力などのエネルギーや環境問題について、肩ひじ張らずにゆるく語り、気軽に意見交換できる場を作っていきたい」と話す。
「めぐるトーク カフェ&バー」問い合わせ・参加申し込みはめぐるでんきまで。電話(TEL 03-5656-5458)とメールで受け付ける。