3密を避けて新しい生活様式へ!

見る・遊ぶ 買う 学ぶ・知る

板橋発オリジナル玩具「イタシコラリア」爆誕 ものづくりで地域おこし

「おとなり」店頭のカプセルトイ販売機で現在、トライアル価格100円で販売する「イタシコラリア」

「おとなり」店頭のカプセルトイ販売機で現在、トライアル価格100円で販売する「イタシコラリア」

  • 0

  •  

 板橋区在住メンバーを中心にしたデジタルものづくり集団「ひらめきドア」が現在、活動拠点とするカフェ&コワーキングスペース「おとなりスタンド&ワークス」(板橋区板橋3、以下おとなり)でオリジナルゲーム玩具「イタシコラリア-まぼろしの土地-」のカプセルトイを販売している。

「イタシコラリア」などを独自開発した松本浄さん

 イタシコラリアは、実在の地形をかたどった「イタバシ」「オーストラリア」「シコク」3つの「COMMON(コモン)パーツ」をベースに、それぞれの地形を合体させた実在しない「イタバリア」「イタコク」「オーストコク」「オースタバシ」「シコバシ」「シコラリア」の「UNCOMMON(アンコモン)パーツ」6つを合わせた全9パーツで構成され、カプセルトイには「RARE(レア)パーツ」として主要道路や線路が描かれた「地形アリ イタバシ」が含まれる。遊び方は「土地にぎり」と「まぼろし塔」の2種類。

[広告]

 「土地にぎり」は、袋などにパーツを入れて相手に渡し、渡された相手は手触りでパーツ名を当て合うゲームで、当てると1点、間違えると相手に1点が加算され、先に5点先取した方が勝利となる。松本さんによれば、COMMONパーツだけだとシコクは西(左)側の上部に愛媛県伊方(いかた)町にある佐田岬の突起が特徴的ですぐに分かってしまうことから、ゲームの難易度を上げるためにUNCOMMONパーツを考えたという。

 「まぼろし塔」では、土台となるパーツを1つ立て、じゃんけんをして勝った人がパーツを1つ選んで負けた人に渡し、負けた人は渡されたパーツを積む。じゃんけんとパーツの積み上げを繰り返して塔を作っていき、塔を崩した方が負けとなる。松本さんは「意外な重ね方ができて、単純だけど奥が深い。土地にぎりと違って、初心者でも、大人も子どもも一緒になって楽しめる」と話す。

 イタシコラリアを企画製作した「ひらめきドア」発起人・松本浄さんは、科学系雑誌などの編集を手掛けるフリーの編集者兼ライターで、本職の傍ら「デジタル・ファブリケーション」を活用した地域交流の場を作りたいと準備を進め、後に「ひらめきドア」と命名される「ものづくり交流場をつくる会」を2018(平成30)年11月に区内の仲間と立ち上げた。デジタル・ファブリケーションとは、デジタルデータを基に精密な造形・加工ができる3Dプリンターやレーザーカッターなどの工作機器を用いて安全・安価にものづくりを行うことができる技術で、現在では医療や建築、服飾などさまざまな分野において世界規模で広がり見せている。

 「ひらめきドア」の構成メンバーは現在6人。購入した3Dプリンターを間借りする「おとなり」に置かせてもらい、定例会などの集まりでアイデアを出し合いながら、オリジナルゲームのルール検討会や交流イベントの企画・運営をし、各自で企画や作品制作を行っている。2019年4月にメンバーの一人がカプセルトイの販売機をオークションサイトで見つけ、2台購入して「おとなり」に設置し、商店街の店主らをキャラクターにしたシール商品を制作・販売。9月からは活動PRを兼ねて、造作や仕掛けを楽しむ募金箱作品や板橋区内の地形をかたどった模型パズルなどを地域マルシェで展示販売し始め、10月からオリジナルボードゲームの試作品を楽しんでもらう「地域ボードゲーム大会」をスタートした。

 イタシコラリアは、カプセルトイの自販機を活用し、ボードゲームと違って年齢に関係なく楽しめるゲームでカプセルトイ販売ができるものをと考えた松本さんが、約1カ月の急ピッチで商品化にこぎ着けた。そもそものきっかけは2013年ごろ、ネット上で「四国とオーストラリアの形が似ている」という話題が広がった際、松本さんは「四国より板橋区の方がオーストラリアに似ている」ことに気付いたという。さらに隣接する練馬区が2017年、旧板橋区からの独立70周年記念事業の一環で刊行したオリジナル絵本「I ●(ハートマーク=ラブ) 練馬あるある」の中に「練馬区は(形が)ほとんどオーストラリアだ」とするネタを入れていることを目にし、松本さんは「板橋区の方がほとんどオーストラリアだ、と改めて感じた」という。カプセルトイの販売企画を、「板橋区とオーストラリアの形が似ていることを、ゲーム化することで世の中に広める」チャンスと捉え、アイデアを具現化した。

 「地域の大人が子どもたちと一緒になって、既製品ではなく手作りで、オリジナルのゲームや贈答品を作ったり、作ったもので遊んだりして、デジタル・ファブリケーションや自作することの楽しさを交流しながら地域に広げたい。ものづくりや遊びを通じて地域の人が関係性を深めて、多くの人が地域のことにも愛着を持つきっかけにもなれば」と松本さん。

 イタシコラリアは現在、「おとなり」の店先に設置したカプセルトイ販売機で購入できる。1カプセル100円(トライアル価格)。来年には構想中の自作通貨「ひらめきコイン(仮称)」を完成させ、カプセルトイに同梱(どうこん)して200円でのセット販売に切り替える予定で、コインは「ひらめきドア」のイベントや物販などで利用できるようにする計画だという。

Stay at Home