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板橋でキットパスを使ったアートイベント 「皆働社会」の実現を目指して

キットパスを使ったさまざまなワークショップが開かれる

キットパスを使ったさまざまなワークショップが開かれる

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 地域電力「めぐるでんき」とシェアする交流スペース「クリエーション・スペース・エンジュク」(creation space en∞juku、板橋区板橋3)で8月22日、「キットパス皆画(かいが)展」 が始まった。日本理化学工業(本社=川崎市高津区)が主催し、KAIDO!project(かいどうプロジェクト)が協力する。

22日夜は交流会も

 同展は初開催となった昨年同様、渋谷区内で8月8日から4日間行われ、板橋に会場を移して引き続き開かれた。複数会場を巡回して行われたのは初めての試みだという。会場には、画家、童話作家、障がい者を含むアーティスト16人、NPO1団体が「キットパス」で描いた絵画作品25点を展示する。

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 キットパスはクレヨンのようにも絵の具のようにも使うことができる固形の筆記具。窓ガラスやホワイトボード、タイルなど滑らかな平面に描いて水で消すことができる画材として学校や店舗、オフィスなどで活用が広がっている。消しかすや粉が出ないように開発されたチョークで、口紅などに使われるパラフィンを主原料としているため環境や体に優しく、やわらかな書き味で子どもや高齢者など筆圧の弱い人でもスムーズに使うことができるのが特徴。

 初日となる22日は、キットパスアートインストラクターでイラストレーターのしまぶくろえみさんと一緒に来場者も参加して会場内の窓にキットパスで絵を描く「ウインドーアート」や有料のワークショップが開かれた。翌23日はしまぶくろさんとキットパスアート埼玉校本部認定講師の安生すみえさん、26日もキットパスアート西東京校本部認定講師・いいのたかこさんによるワークショップが、それぞれ行われた。

 会場では各種キットパス商品や関連書籍も販売。8月29日には「キットパス無料体験」(13時~15時)を行うほか、インストラクター飯塚じゅんこさんによるキットパスを使ったワークショップ(9月1日)も実施する。小学生未満の参加は要保護者同伴。

 日本理化学工業は50年以上前から障がい者雇用に取り組み、現在では社員の7割が知的障がい者だという。障がいの有る無しにかかわらず「働く幸せ」があるという考えから、誰しもが必要とされ役に立って働ける「皆働(かいどう)社会」の実現を提言し、福祉活動にも精力的に取り組んでいる。KAIDO!projectは「皆働社会」の実現に向け、「働く幸せ」や障がい者を含むさまざまな人たちの「働く」について考えるきっかけをアートを通して広めていくプロジェクトで、昨年の「キットパス皆画展」実施に当たって発足した。

 エンジュクのイベントコーディネーターで、KAIDO!project実行委員会メンバーでもある加藤未礼(みれい)さんは、これまで福祉施設でのモノづくりやアートプロジェクトを多数手掛けてきた中で、「家族や学校、職場など身近に障がい者の存在があった人ほど、皆働社会の実現に向けた共感度が高いと感じている。ソーシャルインクルージョン(社会的に弱い立場にある人々を排除・孤立させることなく、共に支え合ってて生活していこうという理念)の浸透には、お年寄りや障がい者と分け隔てなく、お互いに寄り添える場づくりが必要」と話す。「障がい者雇用について考えよう、と言っても多くの人にはなかなか思いは届きづらいが、アートイベントにはそうした障壁を乗り越えやすい面がある」とも。

 開催日は8月29日・30日、9月1日・2日。開催時間は10時~16時。