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自宅でも板橋の天然温泉を 休館中の「さやの湯処」が源泉販売など

「さやの湯処」の源泉は100円から販売

「さやの湯処」の源泉は100円から販売

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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令を受け4月8日から臨時休館していた「前野原温泉さやの湯処(ゆどころ)」(板橋区前野町3)が、自宅で温泉を楽しんでほしいと源泉を売り出している。

「さやの湯処」施設の正面玄関前に設置した「温泉販売所」

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 「さやの湯処」は2005(平成17)年12月に開業した浴場施設で、今年で15周年を迎える。同所には1940(昭和15)年設立の「特殊金属工業」(現・トッキンHD、特殊金属エクセル)の会社事務所と創業者の邸宅があり、現在「イオンスタイル板橋前野町」が立つ向かい側の場所で工場を操業していたが、1996(平成8)年、本社を豊島区へ、工場を埼玉県東松山市へ移転。しばらく空き家のまま荒れ地になっていた創業の地で、近隣住民らに喜んでもらえる事業施設をと考え温泉掘削に着手。創業者の邸宅だった古民家を和食料理店に、庭園を浴場施設と300坪の枯山水の苔庭に生まれ変わらせ同施設をオープンした。

 弱アルカリ性、塩分濃度の高いナトリウム塩化物強塩温泉で加水無し、薬剤無しの源泉掛け流しにこだわった、東京23区内では珍しい「源泉風呂」や、庭園内に設えた貸し切りの半露天檜(ひのき)風呂、露天風呂、内湯や各種サウナを完備した浴場施設には近隣住民だけでなく、都内外から温泉マニアなども多く足を運ぶ人気スポットとなっている。

 休館を始めた翌週の13日にフェイスブックページ上で「お家で温泉を楽しみませんか」と告知し、広い駐車場スペースを活用して翌14日から「温泉販売所」などを設け、源泉販売を開始。「さやの湯処」の源泉を浴場用浴用水清澄(せいちょう)剤による除菌を行い、容器持参客には2リットル以下100円、20リットル1,000円で販売。折り畳み式の20リットル容器(650円)も販売し、車に乗ったままドライブスルー方式でも購入できる。

 トッキンHD常務の谷口慈雨子さんは「先が見えない未曾有(みぞう)の事態の中、臨時休館中にも地域の方々に何か喜んでいただけるようなことができないかと考えた。『さやの湯処』のうぐいす色の源泉に漬からないと調子が出ないと、日頃浴場を利用いただく近所のお客さまからの声を受け、源泉販売を決めた」と話す。「板橋区は温泉の揚湯規制が厳しく、浴場の営業中は全量を源泉掛け流しの露天風呂に使うため販売できる余地がない。休館中だからこそ実現できた特別企画」だという。

 源泉などのドライブスルー販売は大型連休中は混雑を避けるために休業としたが、5月7日から販売を再開。一方で、緊急事態宣言の延長に合わせて「さやの湯処」の休館を5月31日まで延長することを発表した。

 駐車場スペースでのドライブスルー販売は9時~17時。今後の源泉販売や「さやの湯処」の営業再開については、フェイスブックページやホームページで知らせる。

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