板橋区立郷土資料館(板橋区赤塚5、TEL 03-5998-0081)敷地内にある古民家施設「旧田中家住宅」で現在、「ヒナマツリ」展示が行われている。
旧田中家住宅では毎年2月下旬~4月上旬、桃の節句に合わせてひな人形を展示している。今年は幕末~明治期の内裏(だいり)びな四組と、大正期と昭和10年代・30年代・40年代の7段飾りを一組ずつ。郷土資料館1階ロビーにも、受付カウンターに小さな木目込み人形の内裏びなを一組展示する。
旧田中家住宅は、豊島郡徳丸本村(現・板橋区徳丸地域)に建てられていた家屋で、1972(昭和47)年に同資料館の敷地内に移築され、1997年に板橋区の有形文化財登録を受けた。表座敷・奥座敷・勝手・納戸が配された「田の字型(四つ造り)」の典型的な農家の家屋で、江戸時代の終わりから明治時代の初めころの建築とされている。苔(こけ)むしていた茅葺(かやぶき)屋根を2010年に葺(ふ)き替えるなど建築当時のままの状態ではないものの、時代の変遷に応じて改良・改築を重ねて郷土資料館の敷地内で屋外展示している。
同家屋では毎年、時節に応じた飾り付けを施して一般公開する「古民家年中行事」を行っている。同館学芸員の斉川昭二さんによると、「ヒナマツリ」展は人気が高く、展示期間が1カ月以上と比較的長期であることと、隣接する赤塚城址・赤塚溜池公園でひな祭りシーズンに「赤塚梅まつり」が開催されることもあって古民家年中行事では通年で来場者が一番多いという。
斉川さんは「『赤塚梅まつり』の日は、古民家前での武者行列出陣式や箏(そう)の演奏会を行う。現在開催中の企画展『再発見!いたばしの遺跡』と併せて、郷土の歴史に触れていただければ」と来場を呼び掛ける。
開催時間は9時30分~17時。月曜休館。入場無料。4月7日まで。