板橋区立大谷口保育園(板橋区大谷口北町)で10月26日、区全体の保育の質を高めることを目的とした地域合同研修「公開保育」が初開催され、区立保育園と地域の私立保育園・小規模保育所など12園が参加した。
第1回目は「散歩」をテーマに、遊び方や子どもとの関わり方を見学した
幼児期の教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進める「子ども・子育て支援新制度」が2015年4月に全国で施行され、高まる保育ニーズに対応しようと民間保育施設が増加する一方、「保育の質の向上」が課題となっている。
同研修は保育施設の抱える課題解決を目標に、区立保育園が地域の要となって保育の質を向上する風土を私立保育園や小規模保育所など多岐にわたる園種の違いを超えて醸成しようと企画。区内6地域ごとに区立保育園1園が公開園となって地域に広く参加を呼び掛た。
初開催の今回は、私立保育園など8園から11人、区立保育園4園から15人の関係者が集まり、「散歩」をテーマに公開保育も行われた。「安全で子どもの成長を促す散歩の仕方」との視点から、午前中は同園の二歳児クラスの散歩を通じて子どもと保育士との関わり方を見学。午後は見学した実際の子どもの姿や保育士の言葉がけ、援助などについて意見交換がなされた後、ソニー教育財団の髙木恭子さんを講師に「楽しい散歩」に関する講演会が行われた。
参加者からは、「子どもとの関わり方の疑問を解決するよい機会となった」「質の高い保育を目指す仲間とともに、保育内容や環境を学ぶことができ、非常に刺激になった」との声が寄せられた。
板橋区保育サービス課職員によると、本年度は、身近な保育内容から学び合うために「散歩」のほかに「食育」「環境」などをテーマに設定し、各地域で順次合同研修と講師による講演会を行いながら、情報共有や学び合い、課題の改善に努めていくという。