タニタ(板橋区前野町1)が7月から、東京大学高齢社会総合研究機構(文京区)と都市型スマート農園活用による社会的・身体的フレイル予防に関する共同研究を行う。同社が6月20日、発表した。
タニタ本社敷地内の「タニタふれあい農園」を実験フィールドとし、都市型スマート農園での体験が社会的・身体的フレイルに及ぼす予防・改善効果を協働で検証していく。
フレイルとは「加齢により心身が衰え、弱った状態」を指す医療用語で、進行すると日常生活活動の低下を経て、要介護の状態に陥るリスクがある。社会とのつながりを失うことがフレイルの入口と考えられているという。
同園の特徴の一つは、一人一人に区画を貸し出すのではなく、参加者が共同で農作物を育成していくコミュニティー型の農園である点。参加者は専用のアプリのアドバイスに従って水やりや土寄せ、間引き、収穫といったアクティビティーを、参加者同士でコミュニケーションを取りながら体験してく。
収穫した野菜は、タニタ食堂やタニタカフェのレシピを元に調理して参加者に提供したり、バーベキューパーティーを開いたりするなどして、コミュニティーを活性化させるさまざまな施策を展開し、その効果を検証するという。
タニタでは、コミュニティーの形成による社会的フレイルのリスク軽減に加え、農園で取り組む農作業が自然と体を動かすエクササイズになると見ており、身体的フレイルへの影響も検証する。
同社広報担当者は「タニタふれあい農園では、参加者同士で協力して野菜を育てることができる。仲間と一緒に野菜を育て、収穫する喜びをぜひ体験してもらいたい」と話す。
参加応募は板橋区内在住の65歳以上の地域住民が対象。応募に関する問い合わせは専門窓口(TEL 03-6706-7551)で受け付ける。7月31日まで。