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高島平でバーチャロンの大会「タニタカップ」 4年目にしてリアル開催は初

初のオンライン・オフラインの同時開催となった

初のオンライン・オフラインの同時開催となった

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 電脳戦機バーチャロンの大会「TANITACUP(タニタカップ)2024」決勝が3月30日、eスポフィールド(板橋区高島平1)とオンラインのハイブリッドで開催された。

ツインスティックを認識しない機材トラブルを解決するチャロナーたち

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 タニタカップがリアルの会場で開催されるのは初めて。タニタ(前野町1)谷田千里社長の、「かつてのゲーム筐体(きょうたい)を囲んだコミュニケーションを再び共有したい」という願いから実現した。

 大会は、PS4向け「電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995-2001」に収録された「電脳戦機バーチャロン(通称=OMG)」、「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66(通称=オラタン)」、「電脳戦機バーチャロンフォース」の3タイトルで行われた。

 解説はジェスターさん、すめしさん、アレックスさんの3人。タニタ広報・さきさんが初MCを務めた。スペシャルゲストとして、バーチャロンの生みの親である亙(わたり)重郎さん、ツインスティック・プロジェクトの初代担当者の久保彬子さんを迎えた。

 オープニングでは、後援の板橋区から坂本健区長がビデオメッセージでコメントを寄せた。その後、エキシビションマッチとして、亙さんと谷田さんのタッグ、タニタのさきさん・よっしーさんの社員タッグで、「フォース」での2対2の対戦が行われた。

 谷田さんは「もう駆け引きは始まっている」と立場を匂わせ、けん制。対するよっしーさんも「(私たちに)ボコボコにされる2人が見たいのか」と観客に問い、社長相手にも動じなかった。いざ試合が始まると、谷田さんが手を上げて異変をアピール。全員のツインスティックが認識されない機材トラブルが発生した。会場のプレーヤーがステージに集まり、不具合を次々と修正していった。その様子は「さながらカーレースのピットクルーのようだった」と、オンライン配信のチャットでは称賛のコメントであふれた。

 試合は無事に再開するが、亙さんと谷田さんのチームが2ラウンドを連取し、先輩チャロナーとしての意地を見せた。

 ここで「日本一歌のうまいサラリーマン」として知られるセガの光吉猛修(たけのぶ)さんが登場。「鋼鉄の戦士」を熱唱し会場を沸かせた。聴き終えた谷田さんは「試合前に歌手のコンサートがあるのは新しい。これは日本のeスポーツのスタンダードになるかも」と話す。

 続いてスーパーテクニックを映像で振り返るパフォーマンスコンテストが行われた後、「OMG」の決勝が始まった。予選を勝ち進んだ16人の選手が対戦。うち、会場で参加するのは6人。決勝戦は会場から参加するDOI-2(ドイツー)選手とオンラインで参加するアイ・フィールド選手。互いにベルグドルを操り、そして東西対決ということで観客席から歓声が上がる。試合はアイ・フィールド選手が逆転に次ぐ逆転で勝利を収めた。

 会場で辛くも優勝を逃したDOI-2選手だったが「悔しいが、ようやく大会で入賞することができた。次回は優勝を狙いたい」と意気込んだ。

 次の「オラタン」の決勝では16人のうち4人が会場から参加。見せ場となったのは、会場から参加したメンチ選手の操るライデンが2ラウンドパーフェクト勝利を収めた場面だった。合わせてわずか30秒の試合に、コメント欄には興奮気味の書き込みが相次いだ。

 決勝戦では、メンチ選手と同じくライデン使いのいなぽん選手という同機体対決となった。1セットずつ取り合う攻防となったが、レーザーを巧みに操るいなぽん選手が優勝を勝ち取った。惜しくも準優勝となった会場のメンチ選手は「いなぽん選手は強かった。おめでとう」と相手をたたえた。

 最後は、全員がオンラインでの参加となる「フォース」の決勝。16人8チームの頂点を決める決勝戦では、ひげかーぼん選手の操るガラヤカと、トンヌラP選手の操るスペシネフ13「戦」のタッグの「ヌラかーぼん」チーム、シマコー選手操るライデン512Aと、ぷりんと選手操るテムジン747Aのタッグの「シマんとドッグ」チームが対決した。オンラインが途切れてしまう一幕もあったが、より的確に攻撃をヒットさせ続けた「ヌラかーぼん」チームが優勝を収め、会場からは惜しみない拍手が送られた。

 1995年にアーケードでリリースされてから四半世紀を超え、今なおファンメードの大会が催されるバーチャロンについて、亙さんは「僕らがゲームを作った後、遊んでもらう場ができて初めて完成となる。今でもバーチャロンが遊ばれ続けるのはまるで生き物のようで、親目線で大会を拝見させてもらった」と話す。「これからの日本のゲームは、発売されて20年・30年たったとしても、ファンサイドからのボトムアップで盛り上げられていく流れができてくるのだろう」とも。

 次回開催について、谷田さんは「いろいろ考えている。イベントはまだ他にも考えているので、期待してほしい」と明かし、会場全員で合わせた「GET READY!」のかけ声で締めくくった。

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