板橋区駅周辺の地域振興活動を手掛ける任意団体「板橋駅まちづくり応援団」が現在、「板橋駅から#エールを送ろうプロジェクト」のクラウドファンディングを行い、広く支援を呼び掛けている。
同団体は「新型コロナウイルスの流行下、感染リスクを負いながら働く医療従事者やゴミ収集業者、宅配業者、警察、行政、スーパーなどの商店従業員を励ましたい」と企画し、JR板橋駅西口出口から延びる工事用仮囲いの壁面に掲示する「応援手作りポスター」を5月15日から募集。
JR板橋駅の協力を得て、改札前にプロジェクトを案内するチラシやポスター応募用の回収箱を設置し、同団体の応援団メンバーが順次回収しては防水処理のラミネート加工を施して、一枚ずつ壁面に掲示した。当初6月いっぱいまでだった掲示期間は、駅長の厚意もあり7月31日まで延長となり、プロジェクトスタート時の目標だった掲示ポスター200枚を約2カ月で達成。現在も応募数が増えている。
元々は板橋駅周辺の再開発事業に関するまちづくりの勉強会に参加した駅前商店主らで駅前商店街地域を盛り上げていこうと「板橋駅まちづくり応援団」を結成するも、3月の新型コロナウイルス感染症拡大の懸念から当初の計画がとん挫。メンバー自身が経営する飲食店や事業活動も自粛に追い込まれていた4月から、「地域のために何かできることはないか」と中心メンバーによるオンライン会議の生配信や地域の歴史を取り上げたネット番組を行うなどしながら、ポスター応募の参加を繰り返し呼び掛けていた。
実施を決めたきっかけについて、応援団の中心メンバーの一人で出張ワークショップ事業などを手掛ける「アズキューブ」の海老沼麻貴さんは「ステイホームすることも、手洗いうがいをすることもみんな『誰かのため』という優しさの循環の中にあるんだと、寄せられたエールを通じて改めて実感した。そんな思いを形あるものにして、現場で働く方々に直接届けることができたらと考えた。ポスター作りは得意ではないけれど、応援メッセージだけなら参加したい、板橋駅改札まで足を運ばなくても参加できる方法はないかといった声もあり、メンバー間で協議を重ねる中で具体化していった」と話す。
クラウドファンディングの目標額は10万円。集まった資金は、応援ポスターを中心に活動の記録やクラウドファンディング参加者からのメッセージなどをまとめた冊子の編集・印刷費や、クラウドファンディング参加者へのリターン(返礼品)の郵送料のほか、応援ポスターの印刷・ラミネート加工代、板橋区内に拠点を置く医療関係施設やスーパー・小売店、清掃事業、宅配業者、水道・ガスや駅などのライフライン事業を行う機関や区内行政機関に冊子を配布するための配送費などに充てる。
同じく中心メンバーの一人で、新板橋駅前にある和食店「肴とお酒 うえだ」店主の上田誠さんも、「板橋駅でのポスター募集も継続しつつ、感謝や激励のエールをまとめた冊子を関係各所に少しでも多く届けるためには、さらなる理解と協力が必要になる。エールの輪をつないでいきたい」と支援を呼び掛けている。
クラウドファンディングでは1,000円から支援することができ、金額に応じて冊子やホームページへの氏名や応援メッセージの掲載、冊子の進呈など、個人・組織向けに6種類のリターンを用意する。8月7日まで。