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板橋・郷土資料館、常設展示刷新 洋式調練資料や高島平団地の変遷の紹介も

新しくなった常設展示の様子

新しくなった常設展示の様子

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 板橋区立郷土資料館(板橋区赤塚5)で現在、特別展「いたばしの魅力再発見!~高島平の歴史と高島秋帆~」が開かれている。

雪が降る中で行われた「西洋流火術鉄砲隊保存会」による演武

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 同館は昨年9月2日から、館内リニューアルのため一時休館していた。前身となる「郷土資料室」開室から50年、1990(平成2)年1月に現在地での建物改築から30年の節目を契機に、老朽化設備の撤去・メンテナンス、2020(令和2)年度以降に小学校から全面実施される新学習指導要領を踏まえた常設設備の刷新、2024年の全面公開に向けて整備が進む「史跡公園(仮称)」との連携も見据え展示を見直した。

 140日ぶりの一般公開となった特別展初日の1月18日、新しくなった1階の常設展示エリアの新展示がお披露目され、屋外展示の旧田中家住宅前ではリニューアルを記念したセレモニーで「西洋流火術鉄砲隊保存会」による火縄銃の演武が行われ、区の関係者や一般来館者を前に祝砲が発射された。

 「再発見!魅力がいっぱい郷土板橋の歴史」を郷土資料館のテーマとし、「これまでの調査・研究の成果を踏まえつつ、新たに発見した板橋の歴史や板橋の特徴を生かした展示や事業を行い、区民をはじめとする来館者に新たな気づきや感動を与えることで、板橋の魅力を伝え、郷土板橋への愛着と誇りを深める」ことなどを基本理念として掲げる。併せて、実物資料や歴史的事象を物語化する「モノガタリ展示」、自分事化する「ワタシガタリ展示」、学術解説する「教科書展示」の3つの手法を組み合わせることで、来館者が深く関心を持つことのできる展示を目指すという。

 特別展では、高島平地域(現在の高島平、新河岸、三園、蓮根地区など一帯)を対象に、かつて地質や遺跡からみた地域の変遷や、江戸幕府の大砲演習場だった徳丸原、日本初の洋式調練を行い地名の由来にもなった砲術家・高島秋帆(しゅうはん)などの絵図や初展示となる新資料、高島平団地の設計計画や工事の様子などの写真パネル、団地住民のライフスタイルがうかがえる資料などを展示・紹介する。

 同館学芸員の中村新之介さんは「区立美術館や当館が現在地に立っているのは、高島平団地の成り立ちと深く関わりがある。リニューアルオープン後の幕開けは、『高島平の今昔』と、地域のグランドデザインが進められている『これからの高島平』に思いをはせることができる特別展とした。古い年代順に高島平の変遷を追うだけでなく、『高島平』の地名が付いてからの50年を現在から逆にさかのぼっていくこともできる。その中間地点に設置したモニターで上映する、区民から提供を受けた長尺の貴重な映像にも注目してほしい」と話す。

 展示期間中、「公開来館者アンケート」を館内で実施。常設展示エリアでは「あなたは何に興味を持ちましたか?」と展示ジャンル別に記入用紙を貼ることができる「ワタシガタリ展示」を、2階の特別展エリアでも「教えて!『高島平のいいところ』とは」と題したアンケート展示を行う。1階エントランスホールのミュージアムショップでは、今回リニューアルを行った常設展示図録(1,500円)などを販売。

 関連事業として、同館2階講義室で横浜薬科大学教授・梶輝行さんによる講演「検証・高島秋帆による徳丸原演練の歴史的意義とその影響」(2月22日13時30分~)を、東京大学大学院准教授でUDCTakディレクター中島直人さんによる講演「高島平ヘリテージ まちの過去・現在・未来をつなぐ」(3月21日13時30分~)を開催。学芸員による40分程度の展示解説を、1月25日、2月15日、3月15日(いずれも13時30分~)に行う。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館、月曜が祝日の場合は翌日休館。入館無料。3月22日まで。

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