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板橋区役所のカフェで戦争体験聞き取りトーク&ライブ

清水まなぶさん

清水まなぶさん

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 板橋区役所の「カフェダイニングNAKAJUKU」で3月10日、シンガー・ソングライター、清水まなぶさんによる戦争体験聞き取りトーク&ライブ「TOKYO 0310」が開催される。主催は板橋区や練馬区の地域振興に取り組む任意団体「ちいくタイム」。

学校や企業で講演を行う「回想プロジェクト」の様子

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 清水まなぶさんは2000年、小室哲也さん・木根尚登さんがプロデュースした楽曲「サンキューニッポン」でプロデビュー。以降、CMソングやNHKドラマ番組の主題歌にもなった「君の笑顔」などを手掛け、CDリリースを重ねながらライブコンサートを中心に音楽活動を続けている。出身地の長野県ではラジオ番組のパーソナリティーやテレビ番組出演、俳優業、イベントプロデュースも手掛ける。2007年からは「回想プロジェクト」と題した戦争体験の聞き取りと学校・企業などでの講演活動にも取り組んでいる。

 「回想プロジェクト」は2005年、清水さんが他界した祖父の遺品整理中に太平洋戦争の従軍体験をつづった手記を見付け、記された体験談を基に「回想」という曲を作ったことから始まったという。

 「メモした手記の内容にメロディーに乗せて法事の席で歌ったところ、親類から好評を得た。ほかの場所でも歌ってみてはとの提案でライブ会場やイベントで披露すると、『この曲のCDがほしい』との問い合わせを多く受け、CD制作や講演活動につながっていった」と清水さん。その後、多くの戦争体験者に聞き取りを行い、戦争体験を歌詞にした曲の数も増えていったという。

 昨年10月には、長野県の全77市町村での戦争体験聞き取りをまとめた書籍「追いかけた77の記憶 信州全市町村 戦争体験聞き取りの旅」を刊行。執筆と並行して制作を進めていたCDのリリースを間近に控えた12月、同書籍が「平和・協同ジャーナリスト基金賞」奨励賞を受賞した。

 「地元長野では出版記念・受賞記念イベントを行っていたが、今回、東京でも記念イベントを開催しようとの誘いを受け、板橋区を皮切りに『回想プロジェクトTOKYO』を立ち上げる機会を得た」と清水さん。当日は会場で書籍やCDの販売も行うという。

 「板橋区役所には、長崎平和公園の平和祈念像の作者・北村西望さんの遺作となった立ち姿の平和祈念像がある。広島・長崎で採火した平和の灯が庁舎内にともされ、戦争関連資料を常設展示している。同じ施設内の会場で、東京でのプロジェクトを立ち上げる意義は大きい」と話す。

 「板橋火薬製造所跡など陸軍施設の跡地や大きな空襲被害の記録が板橋区にはあるが、戦時中の話を知っている人が少なくなっていると聞いた。東京に限った話ではないが、戦争体験を直接語れる人はこの先ますます減っていく。私の歌や伝え聞いた話をきっかけに、戦争や平和について考えたり調べたり、何か行動を起こしたりする人が増えてくれれば」とも。

 16時40分開場、17時開演。チケットは5,000円(フリードリンク・食事付き)。講演は事前予約制。申し込みは、電話(TEL 090-6016-7869)、Eメール、フェイスブックの「TOKYO0310」イベントページ上で受け付ける。締め切りは3月8日10時。

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