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板橋・蓮根の「植村冒険館」開館25周年 記念講演会に夢枕獏さん

夢枕獏さんは、映画「エヴェレスト 神々の山嶺」を撮影中のエベレスト・ベースキャンプを訪れた

夢枕獏さんは、映画「エヴェレスト 神々の山嶺」を撮影中のエベレスト・ベースキャンプを訪れた

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 「植村冒険館」(板橋区蓮根2、TEL03-3969-7421)を運営する植村記念財団が11月20日、開館25周年の記念講演会を板橋区立文化会館(板橋区大山東町)で行う。

企画展「地図を広げて 植村直己のマップコレクション」

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 同講演会では、冒険家・植村直己さんが生まれ故郷の兵庫県城崎郡日高町(現・豊岡市)から五大陸制覇までの足跡を新たにまとめた映像上映を行うほか、作家・夢枕獏(ゆめまくらばく)さんによる記念講演「生きることは冒険だ」を予定している。

 世界最高峰エベレストの南西壁単独登山に執念を燃やす男の生きざまを描いた夢枕さんの小説「神々の山嶺」は、「エヴェレスト 神々の山嶺」(平山秀幸監督、岡田准一主演)として昨年映画化された。映画撮影中の2015年3月、夢枕さんは仲間と撮影隊の激励のためにエベレスト・ベースキャンプを訪れ、プロ作家デビュー前以来20年ぶりのヒマラヤ登山で高山病に苦しめられながらも5500メートルのカラパタールへの登頂も果たした。

 同講演会は、開場=17時30分・開演=18時。電話などによる事前申込制で定員1200人(先着順)。入場無料。

 故・植村直己さんは兵庫県出身の冒険家で、1970(昭和45)年5月11日に日本山岳会エベレスト登山隊と共に日本人初の世界最高峰エベレストの登頂に成功し、同年8月に北アメリカ最高峰デナリ(当時の名称はマッキンリー)の単独登頂を果たして、世界初の五大陸最高峰(イタリア・フランスの最高峰モンブラン、アフリカ最高峰キリマンジャロ、南米最高峰アコンカグア、中国・ネパール最高峰エベレスト、デナリ)登頂者となった。その後、数々の冒険で偉業を成し遂げるも、43歳の誕生日を迎えた1984(昭和59)年2月12日に世界初となる冬季デナリ単独登頂に成功した翌日の無線交信を最後に消息不明となり、その後捜索が打ち切られた。同年4月に国民栄誉賞を受賞。遺体は現在も見つかっていない。

 植村さんは1969(昭和44)年夏から行方不明になるまでの約15年間、板橋区仲宿のアパートを生活の拠点にし、そこから数々の冒険へと旅立っていった。赤塚の乗蓮寺には、植村さんの墓碑がある。

 植村冒険館は、板橋区が植村さんのご家族から約1500点に及ぶ資料の寄贈を受けて1992年に植村記念財団を設立(現在は公益財団法人)して開館。以来、どのような状況におかれても人間らしい豊かな心で最善の努力をする冒険精神「ウエムラ・スピリット」を永く後世に伝えるために、植村さんの冒険を紹介するさまざまな企画展示や小学4年生から高校生までを対象にした自然体験事業を行っている。

 同館では現在、企画展「地図を広げて 植村直己のマップコレクション」が開かれ、植村さんが北極圏1万2000キロの冒険で実際に使った地図10点や、現地で撮影した写真パネルを展示している。

 開館時間は10~18時(展示室の入館は17時30分まで)。月曜定休。企画展は2018年1月24日まで。

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