東京家政大学博物館(板橋区加賀1)で現在、平成29年度特別企画展「辰五郎と滋の見た 明治の衣生活大転換」が開催されている。
同展は、江戸末期の開国を経て近代国家を目指した明治時代、欧米から取り入れた社会制度や生活様式の変革により大きく変化していく日本人の衣生活について展示する。
開国によってもたらされた洋服は、和服に比べて機能性に優れていることから、まず男性が着用する軍服に取り入れられ、国家の礼服にも採用された。女性の洋装は社交の場で着るドレスとして導入されるが、非常に高価だったため着用はごく一部に限られ、一般の女性にはほとんど無縁だった。羊毛やミシンなどの新しい素材や技術の導入は長く日本人がなじんできた着物にも改良の波が及んだ。
同大学の初代校長の渡邉辰五郎とその長男で2代目校長の渡邉滋は、教育者として裁縫教育に力を尽くし、自ら裁縫の技術や衣服への見識を深めた。同展では2人の残した資料を基に、明治という転換期に、日本人が何を考え、どのように衣服を選び取っていったのかを探るという。
会期中は、渡邉辰五郎考案「改良服」の着装体験や、和紙で着物のひな型(ミニチュア)を作るワークショップ、ギャラリートークも予定する。
開館時間は9時30分~17時。日曜・祝日休館。入館無料。大学構内にあるため、いずれかの校門の守衛室に声を掛けてからの来館を呼び掛ける。11月24日まで。