女子プロサッカーWEリーグの「日テレ・東京ヴェルディベレーザ」は、4月18日に行われた第15節で、ホーム「味の素フィールド西が丘」(北区西が丘)でノジマステラ神奈川相模原と対戦し、3対1で逆転勝利を収めた。入場者数は565人。
試合前、4月14日のINAC神戸レオネッサ戦でWEリーグ通算50試合出場を達成した村松智子選手へ花束贈呈のセレモニーが行われた。3連戦をチームで戦い抜くため、前節からスタメン6人を入れ替えた日テレ・ベレーザは序盤からボールを支配し、積極的にゴールを狙う。前半3分、女子日本代表「なでしこジャパン」メンバーの藤野あおば選手がDFを振り切って放ったファーストシュートは、惜しくもGKの正面。その後も日テレ・ベレーザのペースでチャンスを作るが、ゴールが遠い。
均衡を破ったのはノジマステラ。前半37分、ゴール前の混戦から、日テレ・ベレーザの木下桃香選手が頭でクリアしたこぼれ球に対し、ノジマステラの南野亜里紗選手が勢いよく右足を振り抜いた。放ったシュートはゴール右上に吸い込まれ、今季いまだ白星のないノジマステラに先制点を許した。
1点を追いかける展開となった日テレ・ベレーザは、ハーフタイムに3枚の交代カードを切った。すると後半29分、その3枚のうちの一人、ウインターブレーク後初出場となる松田紫野選手のクロスが相手DFに当たり、オウンゴールで同点に追いつく。後半35分には、同じく後半から入った松永未夢(みゆ)選手が体を張ってつないだボールを、トップ下からFWにポジション変更していた藤野あおば選手が拾い、ワンタッチでDF をかわすと迷わず右足で蹴り込んで勝ち越しゴールを挙げた。さらに後半39分には、後半から入った山本柚月選手が中に切り込み左足で放ったシュートが、相手DF の間をすり抜けサイドネットに突き刺さり、ダメ押しの3点目となった。
後半の10分間で挙げた3得点全てに交代選手が絡んでいることについて、松田監督は「普段のトレーニングから、選手たちがそれぞれのプレーをしっかりと高めているので、どこかでその力を発揮する機会は与えてあげなければいけない。連戦は、チームにとってはプラスに成長するいい機会。リスクを恐れず『積極的なミスならOK』と選手たちにも話をしている。その中で選手たちの積極性がうまく機能した。それがゴールにも結び付いているし、それぞれのプレーの良さを引き出していると感じる」と選手たちをたたえた。
「将来の夢はなでしこジャパン」というサッカー歴4年の原川にこさんは小学校の授業の後、母の真由美さんと2人で葛飾区から応援に駆け付けた。「後半は藤野あおば選手がやってくれるはず」という願い通り、試合を決定づける逆転弾を決めた藤野選手は試合後のインタビューで、「ホームでの得点が今季初なので、本当にお待たせした」と9試合ぶりとなったゴールシーンを振り返り、サポーターと共に喜びを分かち合った。
日テレ・ベレーザは3日後の4月21日、セレッソ大阪ヤンマーレディースとアウェーで対戦し1対1で引き分けた。現在、首位を走る三菱重工浦和レッズレディースとは勝ち点14差の4位。次のホームゲームは4月27日の第17節、大宮アルディージャVENTUSを迎え撃つ。
試合当日は「板橋区民観戦デー」。DゲートのBELEZA PARKに設置される「板橋区PRブース」では、SDGsを楽しく学べるボードゲーム「いたばしさんぽ」を大きく印刷した「人間すごろく」が体験できる。スタジアムをベレーザカラーの緑に染めるため、グリーンウエアレンタルサービスやミニフラッグ作りなど家族で楽しめるイベントも企画。今シーズン特に力を入れているスタジアムグルメは、普段より多い10店舗が出店。試合ごとに変わる「選手コラボフード」には、岩清水梓選手、藤野あおば選手、柏村菜那選手が登場。中でも、岩清水選手の母親目線での要望を形にしたフードはシーズン前半の販売で好評だったため、次節限定で復活する。