板橋区と金沢市との友好交流都市協定締結15周年を記念した式典イベント「令和5年度かなざわ講座」が8月31日、板橋区立グリーンカレッジホール(板橋区志村3)で開かれた。
板橋区内には、江戸時代に約21万坪に及ぶ加賀藩前田家の広大な下屋敷が置かれていた歴史がある。1965(昭和40)年の住居表示で「板橋区加賀」の町名が付けられた地域には、「加賀公園」「金沢橋」「金沢小学校」などがあり、石川県金沢市と板橋区では町を代表する「加賀百万石まつり」「板橋区民まつり」への相互参加をはじめ、文化・教育・産業・観光など多くの分野で交流を重ねてきたことから2008(平成20)年7月9日、友好交流都市協定を締結。
以来交流を続け、2018(平成30)年7月には締結10周年記念の式典や加賀藩下屋敷跡など金沢ゆかりの史跡を巡る散策ツアー、座学の歴史講座なども行った。2010(平成22)年からは毎年7月、湯涌温泉観光協会から「氷室の雪氷(せっぴょう)」が届けられ、板橋区役所で贈呈式と展示が行われている。
今年は加賀立国1200年と協定締結から15周年を迎えるアニバーサリーイヤーであることにちなみ、今回のイベントは2部構成で開催。第1部では、区内に東京キャンパス(前野町6)を置く淑徳大学人文学部教授で、「能登・加賀立国と地域社会」などの著書がある森田喜久男さんが「加賀立国と金沢」をテーマに講演。第2部では、板橋区アーティストバンク所属のハープ奏者・松本花奈さんと村山卓(たかし)金沢市長による記念演奏会と鏡開きが行われた。
式典のあいさつで、坂本健(たけし)板橋区長は「交流協定締結以来、文化、教育、観光などの分野で交流を進め、互いに刺激を与え合い発展してきた。これからも将来の世代に引き継ぐべき価値観や文化を共有し、豊かな地域社会の形成を目指したい」と今後の交流に期待を込めた。