板橋区出身の南原健太選手(極真会館・東京城北支部所属)が1ラウンドTKO勝利を飾って会場をにぎわせた格闘技イベント「RISE ELDORADO(ライズ・エルドラド)2023」(3月26日開催)の試合映像の無料配信が4月2日、始まった。
RISEクリエーション(豊島区)が、有明アリーナ(江東区)で開かれた全試合の映像をユーチューブの「RISE公式チャンネル」で配信する。「ライズ・エルドラド」は、キックボクシングなど立ち技打撃系の格闘技大会「RISE」を主催するRISEクリエーションが年1回開く格闘技の祭典。
今大会では、現王者イ・ソンヒョン選手に同1位の海人(かいと)選手が挑むRISEミドル級タイトルマッチや、フランスの強豪ジェレミー・モンテーリョ選手と原口健飛選手によるK-1ルールでのISKA(国際競技空手協会)ライトウェルター級世界王座決定戦、タイのTrue4スーパーバンタム級王者ディーゼルレック・ウォーワンチャイ選手と志朗選手によるRISEバンタム級世界王座決定戦など格闘技ファン注目のカードが並び、オープニングファイトを含む全14試合が繰り広げられた。
昨年の「ライズ・エルドラド」で、デビュー戦以来3試合3KO勝利と負け知らずの南原選手は、現RISEヘビー級2位のカリュ・ギブレイン選手を相手に初黒星。軽重量級(90キロ以下)部門で優勝を果たした「2022オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会」を挟み、昨年8月のRISE再起戦に続く12月のRISE VSシュートボクシングの対抗戦でもTKO勝利を飾り、今年のRISE祭典に臨んだ。
南原選手は今大会の第6試合、K-1 VS RISE対抗戦2試合目に登場。ここ最近は連敗が続くも、初代Bigbangヘビー級王者で、現K-1クルーザー級王者シナ・カリミアンを相手に一撃KOで勝利した実績を持つ愛鷹亮選手と対戦した。
1ラウンド序盤、互いに相手の様子を窺いながら間合いを取る中、南原選手が長いリーチを生かした前蹴りやローキックで攻めた際、愛鷹選手のベルト下に左のローキックがローブローとなってしまい一時中断。試合再開後、愛鷹選手のパンチに南原選手は膝蹴りや素早いローキックなど多彩な足技で対抗し、一瞬の隙を突いた後ろ回し蹴りを愛鷹選手の側頭部に決めて最初のダウンを奪った。ラスト1分の場内アナウンスの後、愛鷹選手は重いフックやボディーへのパンチで反撃。南原選手も蹴りとパンチのコンビネーションで愛鷹選手を対角線のコーナー側に詰めるも、愛鷹選手のストレートや重さを感じる連続フックを受けた南原選手は負けじとパンチで応酬するが、パワーに分がある愛鷹選手の猛攻にガードが崩される劣勢に見えた一幕もあった。
その後も重いパンチを入れながら距離を詰める愛鷹選手に、膝蹴りや足へのかかと蹴りなど至近距離で多彩な蹴りで応戦する南原選手。1ラウンド終了間際、相手のパンチをガードしながら距離を詰めた南原選手は、左足膝裏へのかかと蹴りと側頭部へのフックでやや前傾になった愛鷹選手の顎付近に的確な膝蹴りを一閃(いっせん)。明らかに気を失った愛鷹選手がコーナーのロープ際に崩れ落ちると、レフェリーがすぐさま試合を止め、衝撃的なKO勝利に会場が沸いた。
南原選手はこれで7試合6勝1敗6KO。今大会K-1 VS RISE対抗戦1試合目のRISEフェザー級王者・門口佳佑選手、3試合目のRISEスーパーライト級1位・白鳥大珠選手と共に判定勝ちを収め、3月12日開催の「ケイズフェスタ」では1勝2敗と負け越していた対抗戦の勝敗を、今回の全勝でRISEが4勝2敗と勝ち越しに転じた。
南原選手は試合後のインタビューで、「RISEの強さを証明できたのかな、という試合になったと思う。KOは絶対にしたいと思っていた。全部、練習通り、イメージ通り倒すことができてうれしい。自分の動きが今回良くて、距離感とか体のキレが良かったので、あまり相手の攻撃をもらわず戦えた。今回は何パターンか倒す技を用意していた。最後の膝も狙っていた。KOはヘビー級なので、お客さんが見ていて楽しいような試合をこれからもしていきたい」と意気込みを見せる。