板橋区出身の空手家でプロキックボクサーの南原健太選手(極真会館 東京城北支部)が1月23日、後楽園ホールで開催された「RISE(ライズ)154」に参戦した。
試合前、極真会館の道着姿で入場を待つ南原健太選手とセコンドに付いたベイノア選手
南原選手は第3試合、今大会唯一のヘビー級マッチとなる3分3ラウンド‐92キロ契約戦に出場。デビュー戦「RISE151」は‐85キロ契約、昨年10月に行われた第2戦「RISE152」は‐82キロ契約だったのに対し、体重を増やして臨んだ3戦目。対戦相手のミヤギン選手(team Bonds)はRISE初参戦も、NJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)大会を主戦場に戦績は4戦3勝1敗で3勝のうち2勝はいずれも1ラウンドKO勝ちという強者。前日の計量では南原選手が体重87.55キログラムだったのに対し、ミヤギン選手は91.3キログラムと4キロ上回り、同試合の行方が注目されていた。
試合開始早々、間合いを詰めながら両選手共にキック、パンチの応酬を見せる中で、南原選手はミヤギン選手の右ストレートを左頬に受けるも体勢を崩すことなくミドルキックで応戦。その後も攻撃の手をゆるめることなく、重みのあるローキックやパンチの連打で双方目まぐるい攻防を展開していたが、ミヤギン選手の左フックをバックステップで交わした南原選手はすぐさま左ハイキックを一閃(いっせん)、一見軽やかに見えた南原選手の蹴りはミヤギン選手のアゴ先を的確にとらえてダウンを奪った。
極真空手の大会さながら一本勝ちを思わせるポーズを取ってみせた南原選手に対し、ミヤギン選手はどうにか立ち上がるも足取りがおぼつかず。レフェリーはダウンカウント8を数えた後にミヤギン選手を抱きかかえて試合を止め、南原選手は試合開始64秒、1ラウンドKO勝利を収めた。
試合後のリング上でマイクを手にした南原選手は、「体重増やしてパワーで圧倒しようと考えていたので、今倒した感覚がすごいあってめちゃくちゃ気持ちいい。RISEで、ヘビー級でスターになるのは僕しかいないと思っているので、今日の僕のインパクトをしっかりと、今年中ずっと連勝を続けて、KOを続けていく」とアピールした。
南原選手は1998(平成10)年生まれの23歳。RISEデビューで「那須川天心の空手時代のライバル」というキャッチフレーズばかり先行しているが、そもそも幼少期から極真空手を始め、8歳の時の日本代表として初出場した国際親善大会で優勝したほか、その後も同大会では優勝を重ね、極真会館の全国大会では2012(平成24)年から3年連続で優勝を果たし、2018年の「第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会」では準優勝など、空手界では数々の実績を収めてきた。
極真会館の東京城北支部下赤塚道場(練馬区北町3)の責任者として道場生の指導員も務めながら、南原選手は昨年7月のプロキックボクサーデビューから約半年、3戦3勝3KOの快進撃を続けている。