非営利の一般社団法人「キャッツイン東京応援委員会」が11月22日、「コロナ禍で人が減ったまちと保護猫カフェを板橋の地元クリエーターで救いたい!」プロジェクトを立ち上げた。
里親募集型保護猫カフェ「CAT'S INN TOKYO(キャッツイントウキョウ)」(板橋区小豆沢3、03-6312-8391)(以下、キャッツイン東京)を支援している同委員会。 キャッツイン東京は2016(平成28)年10月、「泊まれる保護猫カフェ」として板橋区宮本町にオープン。同店ではこれまで、猫と暮らしたことのない人が猫との暮らしや世話を実体験することで、飼育放棄を未然に防ぎ、安心して猫を迎えられるようにしたり、地域の猫問題に取り組んだりしてきた。2019(平成31)年3月からは拠点を小豆沢公園の前に移し、「猫の地産地消(地域の猫問題を地域で解決)」をコンセプトにこれまで250頭近い犬猫を保護譲渡している。
同委員会では現在、クラウドファンディングサービス「GoodMorning(グッドモーニン)」を通じ、プロジェクト支援者を募集している。コロナによる人流の低迷や定員制限などによる収益の半減を補填(ほてん)すると共に、資金難から手つかずで荒れた庭と老朽化した万年塀を改修することで、安全性の確保と地元への還元を目指す。店長の藍智子さんは「楽しい壁画を描き、明るい庭にして通りかかる皆さんに一休みしてもらい、待ち合わせの目印や記念写真スポットとして利用してもらえたらうれしい」と話す。
「板橋は元々ものづくりのまちで、クリエーターが多く、下町情緒も豊か。猫の譲渡が増えるにつれて区内につながりも増え、新しい飼い主やお客さま、地元出身のスタッフの協力を得てこのプロジェクトが立ち上がった」とも。藍さんによると、造園の設計、塀の修繕、壁画、クラウドファンディングの返礼品、全てが地域のつながりで構成されているという。
藍さんは「板橋区はほか地域に比べて地域猫・野良猫の数が多い印象の一方、意識の高い人もたくさんおり、譲渡件数は順調に伸びている」と話す。「(保護猫カフェが)オープンして5年がたつが、看板がなかったせいか、まだ板橋区内や近隣でも店の存在を知らない人が多い。庭が完成したら壁画を目印に多くの人に来てもらいたい」と期待を寄せる。
藍さんは今後、店頭へのキッチンカー誘致、フリーマーケット開催、野良猫のための一時預かり施設・病院開設などの計画を進めていく方針という。