板橋区出身で「極真会館 東京城北支部」所属の南原健太選手が10月22日、後楽園ホールで開催された「RISE(ライズ)152」に参戦した。
「(那須川)天心の極真時代のライバルがついにプロデビュー」とスポーツ紙やニュースポータルサイト、格闘技ファンの間などで注目を集め、今年7月のデビュー戦でKO勝利を収めた南原選手。
デビュー2戦目の相手は、今回が「RISE」のキックボクシング戦デビューとなるタイ出身の37歳で、日本では長くムエタイジムなどのトレーナーを兼任してきたムエタイファイターのクワン・サックランシット選手。クワン選手は今年4月に行われたムエタイ興行イベント「ムエローク2021 八王子」のヘビー級マッチで、天承山(てんしょうやま)選手にTKO勝利したことや、186センチの長身を誇る南原選手に対してクワン選手は163センチという身長差があることから、どのような試合展開となるのか、格闘技ファンを中心にSNSなどでも話題を集めていた。
この日の試合は、82キロ契約の3分3ラウンドマッチで行われた。1ラウンド目、序盤に重みのあるローキックを見せたクワン選手だったが、長い手足でボディーブローや前蹴りや回し蹴りなど空手ならではの多彩な技を見せる南原選手に対し、フックやムエタイ仕込みの前蹴りを繰り出すも身長差と手足のリーチ差で有効打とはならず。終盤、コーナーやロープを背にしたクワン選手は、南原選手のパンチ連打と膝蹴りのコンビネーションにスタンディングダウンを取られたところで第1ラウンドが終了。2ラウンド目は開始早々、クワン選手は南原選手の攻撃でロープ際に詰められ防戦一方となった。それでも反撃の姿勢を見せていたクワン選手だったが、セコンドからタオルが投入され南原選手のTKO勝ち。あっけない幕切れとなった。
南原選手は試合後、「あまり気持ち良くないというか、バチッと倒したかったので微妙な感じ。もうちょっと膝が入るかなと思ったが、(クワン選手は)ディフェンスもうまかったのでそんな簡単にはいかなかった。デビュー戦と比べて硬いまま終わってしまった。落ち着き過ぎたというか、攻めきれなかった。経験値の少ないところが出てしまったのが今回の課題」と振り返った。今後の展望については、「年4回くらいのペースで試合したい。ヘビー級っぽくないスピードや蹴りの多彩さが僕の持ち味。強い相手とガンガン戦っていきたい」と意欲を見せる。
南原選手は1998(平成10)年生まれ。現在「極真会館 東京城北支部」下赤塚道場(練馬区北町3)の責任者として指導員を務めながら、プロキックボクサーとして2戦2勝2KOという幸先の良いスタートを切った。
同じ東京城北支部所属ではこの日、成増道場(板橋区成増3)道場生の山科直史選手が「RISE152」第1試合で勝利を収めた。成増道場指導員で南原選手のキックボクシング練習パートナーでもある先輩“ブラックパンサー”ベイノア選手は11月20日、沖縄アリーナで行われる「RIZIN(ライジン)32」出場を控える。極真会館所属選手の活躍に、板橋かいわいの極真道場生だけでなく格闘技ファンからも期待が高まっている。