板橋区と姉妹都市提携を結ぶバーリントン市(カナダ・オンタリオ州)の「バーリントン市世界化委員会」板橋小委員会の「令和2年度 外務大臣表彰」を受け、バーリントン市内で8月9日、「板橋ガーデン」を会場に表彰伝達式が行われた。
同委員会はボランティア市民を中心に構成された組織で、同市と海外の都市との交流促進などを担い、板橋小委員会は同会に属して板橋区との友好交流を担当。公益財団法人「板橋区文化・国際交流財団」によれば、区民ツアーの派遣、青少年スポーツ交流、ホームステイ、ペンフレンド・Eメールフレンドの紹介、文化芸術などの市民訪問団の派遣・受け入れなど、日本とカナダの文化交流の架け橋となった長年の活動が評価され、今回の表彰につながったという。
板橋区とバーリントン市は、1985(昭和60)年の「板橋区民まつり」におけるカナダフェア開催でカナダ大使館と交流を始めたことをきっかけに、1989(平成元)年5月に姉妹都市提携を締結。以来、5年ごとに、バーリントン市では板橋区による花火大会の開催や和太鼓グループの演舞披露、板橋区では「バーリトンティーンツアーバンド」による演奏会や美術展の開催など、官民で相互の文化交流を深めてきた。
会場となった「板橋ガーデン」は2019年7月、姉妹都市提携30周年を記念して同市「タンズリーウッズ・コミュニティセンター」内に開園。日本とバーリントン由来の四季折々の植物が植樹され、約650平方メートルの園内には枯山水式の日本庭園をモチーフに枯池や枯滝、あずまや、石塔などが設けられている。同センター近くを走る道路は1996(平成8)年に「板橋通り(Itabashi Way)」と名付けられ、翌年に板橋区が返礼として寄贈した長さ20メートル・幅4メートルの木造の「板橋ブリッジ(Itabashi Bridge)」が同センター内に架けられている。
在カナダ・トロント日本国総領事の佐々山拓也さんは表彰伝達式のあいさつで、「外務大臣表彰は、歴代の市長や市議会委員、世界化委員らの尽力があってのもの。これからも末永くバーリントン市と板橋区の関係が良好に続けられることを願っている」と話した。
マリアンヌ・ミード・ワード市長は「2年前に30周年記念で板橋を訪問したことが随分前のように感じられる。訪問時に、どこへ行っても人間としての生活は変わりがないということや、同じ価値観を共有していくことの大切さを改めて感じた。2024年には35周年を迎えることになり、パンデミック後の新たな未来に希望をつなげたい」と思いを寄せた。