板橋区立美術館(板橋区赤塚5)で開催中の館蔵品展「狩野(かのう)派学習帳 今こそ江戸絵画の正統に学ぼう」が間もなく閉幕する。
「狩野派」は、室町時代から幕末まで400年にわたり、血縁関係でつながり幕府の仕事を行ってきた絵師の専門集団。同館職員によれば、江戸時代の初期、徳川幕府に仕えるため京都から江戸へ活動の本拠地移した狩野探幽(たんゆう)が新たな時代様式を作り、一門は「江戸狩野派」と呼ばれるに至り、狩野派の活動を一層堅固なものにしたという。
同展では、探幽の「富士山図屏風(びょうぶ)」「富士山図」をはじめ、狩野典信(みちのぶ)の「唐子(からこ)遊図屏風」「大黒図」、狩野栄信(ながのぶ)「花鳥図」「山水図屏風」、狩野養信(おさのぶ)「鷹狩図屏風」、女性絵師・清原雪信「源氏物語 浮舟図」、幕末期に活躍した逸見一信(へんみかずのぶ)の「源平合戦図屏風」「龍虎図屏風」など、全33点を展示。狩野惟信「菊慈童(きくじどう)図」や逸見一信「布袋唐子図」、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)「浮世絵大津之連中図屏風」など新収蔵作品も初展示する。
同館職員は「今回の展示は無料公開で、作品は全て写真撮影OKとなっている。この貴重な機会に、都内の方は無理のないところで足を運んでもらい、遠方の方には動画配信で、幕府や諸大名の御用として支持されて江戸絵画の正統であり続けた魅力的な作品群を楽しんでもらえたら」と話す。
ユーチューブに開設した板橋区公式チャンネルや同館のフェイスブックページでは、「狩野派学習帳」展の紹介動画のほか、「2人のイケメン」「2人の布袋(ほてい)さん」「2人の西王母(せいおうぼ)」「唐子だらけ」「三美人」など作品紹介動画が視聴できる。
開場時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。新型コロナウイルス感染症拡大防止などのため、マスクの持参・着用が必須。観覧無料。8月10日まで。