赤塚支所(板橋区赤塚6)1階ギャラリーで現在、「板橋崖線(がいせん)」に関する都市景観の取り組みなどを紹介するパネル展「平成30年度いたばし景観写真展~板橋崖線~」が開かれている。
「崖線」は海・河川などが台地を浸食してできた崖地の連なりのこと。市街地の中でも市区町村の境界をまたいで自然の地形や緑を残している東京都は、城北地域から都心を通り城南地域に至る武蔵野台地東端の崖線に沿った緑の多い景観軸を「南北崖線軸」と位置付け、「板橋崖線」はその一部を成している。
荒川と多摩川にはさまれた武蔵野台地の北東端付近に位置する板橋区は、面積の4分の3が台地上にあり、北側は海抜10メートル以下の荒川の流れによる土砂で形成された沖積(ちゅうせき)低地と、平均海抜30メートル前後の武蔵野台地との高低差で起伏に富んだ特徴的な地形になっている。台地と低地の間の崖線は豊かな樹林地や湧水(ゆうすい)を有し、神社仏閣を始めとした歴史的な建造物も多く残っている。
板橋区は2011年8月、東京都による「都市景観計画」などに基づく「板橋区景観計画」を策定し、その中で景観計画区域を「一般地域」、地区特性を生かした良好な景観の形成を図る必要があると認める「景観形成重点地区」の2つの区域に区分。「板橋崖線軸地区」は景観形成重点地区に指定され、自然や文化、歴史を尊重すると共に、崖線としての地形的特徴を踏まえ、崖線の緑に違和感なく溶け込むような落ち着いた街並みづくりを目指しているという。
パネル展では、「板橋崖線」の特徴や魅力、景観計画のほか、歴史・文化・観光の視点も取り入れながら、大正期や戦前の風景写真から生産緑地や「川口農園」(板橋蓮根2)による地産地消の取り組みに至る地域の今昔を紹介する。
区都市景観担当職員の佐伯和宏さんは「空から見た板橋崖線を一望できる巨大航空写真パネルは工夫を施した。手作り感満載の一言コメントも楽しんでほしい」と話す。
開催時間は8時30分~21時30分。入場無料。3月27日まで。