第159回直木賞と芥川賞の選考会が7月18日、東京・築地の「新喜楽」(中央区)で開かれ、島本理生(しまもと・りお)さんの「ファーストラヴ」が直木賞を受賞した。
宇喜多秀家を描いた「宇喜多の楽土」(木下昌輝さん著)も直木賞候補だった
島本さんは板橋区出身。高校在学中の2001年に「シルエット」で第44回群像新人文学賞の優秀作に選ばれて作家デビューした後、2002年「リトル・バイ・リトル」、2003年「生まれた森」、2006年「大きな熊が来る前に、おやすみ。」、2015年「夏の裁断」と芥川賞候補に4回ノミネート。「リトル・バイ・リトル」は第25回野間文学新人賞受賞、2006年「Birthday」は第33回川端康成文学賞候補、2014年「Red」は第21回島清恋愛文学賞受賞と文学賞ノミネート・受賞は多く、2005年刊行の「ナラタージュ」は第18回山本周五郎賞候補となり、嵐・松本潤さん主演で2017年に映画化された。
直木賞には2010年「アンダスタンド・メイビー」で候補作品にノミネートされ、今作2回目のノミネートで受賞を果たした。
選考発表後の同日、東京・内幸町の帝国ホテル(千代田区)で行われた受賞会見で島本さんは、「今、デビュー18年目で、芥川賞候補4回・直木賞候補2回と待った18年間だったので、すごくホッとしたというのが正直なところです」と笑顔を見せた。
今回の直木賞候補には、戦国武将・宇喜多秀家を主人公にした木下昌輝さんの「宇喜多の楽土」もノミネートされ、宇喜多秀家の供養塔が板橋区・東光寺にあることから、「板橋区民が応援!」と手書きのPOPを付け、同作と「ファーストラヴ」の2作品を平積みして選考結果の発表を注視する区内書店もあった。