板橋区赤塚で3月12日、外国人向け日本文化体験ツアーが行われた。
訪日外国人を対象に、自然の多く残る赤塚地区の散策、郷土資料館見学、茶道体験を通じ板橋区の観光スポットや日本文化の魅力を体験してもらおうと企画した同ツアーは今回でで2度目。この日は、板橋区内在住・在勤・在学の外国人17人が参加した。
同ツアー運営スタッフは「ツアーで体験した魅力を、参加者が国内外の友人・知人にSNSなどで発信することで、さらに多くの外国人が区に訪れるきっかけになれば」と期待を寄せる。
区立郷土資料館に集合した参加者たちは、板橋区くらしと観光課職員や、観光ボランティア「もてなしたい」の案内でツアーを楽しんだ。
区立郷土資料館では現在、同館所蔵の甲冑(かっちゅう)刀剣類コレクションから約60点を展示する特別展「武具繚乱(ぶぐりょうらん)」を開催しており、館内で着物や鎧(よろい)の着付け体験も行っている。普段着られる機会の少ない鎧が着られるとあって、参加者たちは楽しそうに記念撮影をしていた。
梅の花が現在見ごろを迎えている赤塚溜池公園では、周辺の梅林や、緑豊かな自然が多く残る赤塚地区を散策。日本の四季の風景を楽しみながら、赤塚いこいの家へ移動し、茶道体験を行った。参加者たちは初めて見る茶道を不思議そうに眺めながら、裏千家の作法に従って抹茶と和菓子を楽しんだ。
同行したツアーガイドの一人は「抹茶は、おいしかったと言う人もいれば、苦そうな顔で飲んでいる方もいたが、おもてなし文化の代表ともいえる茶道で、日本独特の体験をしてもらえた」と話す。
茶道体験の待ち時間に行った折り紙体験では、兜(かぶと)などを真剣に折り、ほとんどの参加者が出来上がりに満足した様子だった。
同区は東京2020大会に向け、外国人向けガイドツアーを継続開催する予定。外国人に区の観光資源の魅力を感じてもらい、ツアー参加者がガイドする側として活躍してもらえるよう、より一層内容を充実させていく方針という。