日本大学豊山女子高校(板橋区中台3)のドローンラボに所属する3年生の生徒5人が4月28日、板橋区役所で、探求学習の一環として取り組んできた、ドローンの活用による地域課題解決に向けての成果発表会を行った。
同校ではゼミ形式のラボを17設けており、生徒は3年間を通じていずれかに所属し、継続的に探究活動に取り組む仕組みとなっている。同校の黛(まゆずみ)俊之校長は「自ら課題を設定し、解決に向けて思考を重ねていく力が、これからの時代には欠かせない。試行錯誤や失敗の経験も含めて学びになる」と話す。
同プロジェクトは、ドローンやロボットの開発・提供を行っているブルーイノベーション(文京区)と連携して行った。生徒たちは「野良猫の保護問題」「カラスによる被害」「害獣対策」など、板橋区の身近な環境課題をテーマに設定。課題の現状分析から仮説構築、実証検証まで一連の流れをまとめ、ドローンを活用した解決の可能性を探った。コメンテーターは、板橋区立教育科学館の学術顧問・池辺靖さん、板橋区産業経済部長の家田彩子さん、ブルーイノベーション社長の熊田貴之さん。
発表では、板橋ドローンフィールド(舟渡4)で実施した実証実験についても報告。赤外線ドローンを用いて、野生生物に見立てたカイロにお面を着けた対象物を設置し、「人の目」と「ドローンの目」どちらか早く発見できるか比較検証を行った。結果は、「人の目」の方が早く発見できる結果となった。生徒たちは、実験を行ったのが暑い昼間だったことから、周囲との気温差が小さく、赤外線による検知が難しい条件だった可能性を指摘。一方で、野生生物が活動しやすい夜間や長時間の探索ではドローンの強みが発揮されるのではないかとの見方を示した。併せて、ドローンは広範囲の「当たりをつける」役割に適しており、人とドローンそれぞれの特性を生かした役割分担による活用が有効であるという考えを示した。
熊田さんは「よくまとまっており大変勉強になった。実際に、ドローン業界でも熊対策など取り組みを進めてきたが、思うように社会実装まで至っていないのが現状」と言及し、実用化に向けた継続的な検証の必要性を示した。生徒たちに向けては、「実際に現場に出て、課題に直面しながらフィールドワークを重ねることが、皆さんの力になっていく。外に出ることで新たな出会いや気づきから、さらに人生が開かれていくと思う」とエールを送った。