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板橋宿不動通りと江戸四宿の歴史展 「老舗銭湯の忘れ形見」公開も

特別公開中の老舗銭湯「花の湯」の鬼瓦と懸魚

特別公開中の老舗銭湯「花の湯」の鬼瓦と懸魚

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板橋区役所本庁舎(板橋区板橋2)1階区民スペースで2月18日、パネル展「平成30年度いたばし景観写真展 ~板橋宿不動通り商店街と江戸四宿~」が始まった。

板橋宿不動通商店街での景観作りの取り組みも紹介

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 「江戸四宿(ししゅく)」と呼ばれた宿場町、品川宿・千住宿・内藤新宿・板橋宿それぞれの歴史や、板橋宿として名主(なぬし)が置かれた3宿場のうち仲宿から平尾宿をつないでいた板橋宿不動通り地区の街並みの変遷を写真で紹介する同展。

 展示スペース中央には、1910(明治43)年に創業し、2017年3月に惜しまれながら営業を終えた老舗銭湯「花の湯」で使われていた鬼瓦や破風(はふ)彫刻の「懸魚(げぎょ)」などの「忘れ形見」も特別展示する。鬼瓦と懸魚は「花の湯」の解体工事が始まった2017年7月ごろ、現在板橋宿不動通り商店街で新拠点の正式オープン準備を進める元・板橋3丁目食堂店主のながせけんぞうさんが「花の湯」の元経営者と工事関係者に頼み込んで譲り受けた物という。

 「『そんなもの、残してどうなるの?』と周囲に苦笑いされながらも、古き良き街の景色が少しずつ消えていく商店街の文化遺産として、いつか街のシンボルになる時が来るかもしれないと大切に保管していた」とながせさん。鬼瓦と懸魚の存在はいつしか商店街関係者や街作り関係者にも知られることとなり、板橋区の都市景観プロジェクトと連携した今回の展示企画に発展したという。

 板橋区では、2011年8月に策定した「板橋区景観計画」を基に、地域のより良い景観の実現に向けた総合的・複合的な景観形成施策を商店街や区民と連携しながら展開している。

 板橋区都市景観担当者の佐伯和宏さんは「板橋宿不動通り商店街では2015年の無電柱化工事完了後、景観計画の一環として2017年ころからまちづくりに関する勉強会やワークショップなどを行ってきた。2年間の取り組みの集大成として、これまでの活動や検討内容も展示している。江戸四宿間で新たな交流や連携が生まれて、かつてのにぎわいを取り戻すきっかけになれば」と話す。

 開催時間は8時30分~17時。入場無料。2月22日まで。

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