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上板橋第二中が「優良学校施設」部門賞受賞 教科センター方式などが評価

「新しい教育環境」部門賞を受賞した上板橋第二中学校の新校舎

「新しい教育環境」部門賞を受賞した上板橋第二中学校の新校舎

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 一般社団法人「文教施設協会」(東京都港区)が主催する「令和5年度優良学校施設表彰事業」で、上板橋第二中学校(板橋区向原3、以下、上二中)が「新しい教育環境」部門賞を受賞した。板橋区が4月2日、発表した。

各階に設けられた教科メディアスペース

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 「国内の学校施設・設備の質的向上に資する」ことを目的にした学校施設表彰事業を新たに立ち上げた。事業初年度の表彰となる今回、公募で集まった全国27校の中から選考委員による審査で9校を「受賞作品」として選んだ。

 上二中が受賞した「新しい教育環境」部門は、教育・学習空間への新たな建築的提案や、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」に対応した学習空間であるなどの観点から優れた学校施設を表彰。同校に対し、公開された審査講評の中で「2校の統合に当たり、教科学習の充実、学びに向かう姿勢、共に学ぶ態度の育成を目標として教科センター方式を採用して計画。教科メディアスペース、居場所となるホームベースが光庭を組み合わせることで実現し、限られた面積、高低差の大きい敷地条件に対し、配置を工夫して運動場面積を確保し周囲に開かれた景観になっている。設置者の学校施設に対する明確な意図が感じられる」としている。

 上二中の開校は1947(昭和22)年。板橋区が2014(平成26)年2月に策定した「いたばし魅力ある学校づくりプラン」に基づき、上二中と向原中学校のPTAや通学区域内の地域関係者、学校関係者らで協議を重ねた末に両校の統合を決め、2018(平成30)年、向原中学校の施設解体と新校舎の建造工事に着工。創立75周年を迎えた2022年、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造りで地上5階建ての校舎棟、地上2階建てのアリーナ棟で構成された新校舎へ移転した。

 受賞の審査講評で触れられた「教科センター方式」では、教員が授業を行うクラスの教室へ移動する従来型に対し、教科ごとに決められた教室へ生徒がその都度移動して授業を受ける方式を指し、板橋区立の中学校では赤塚第二中学校、中台中学校なども同方式を導入している。

 上二中の宮田正博校長は「生徒が受け身で待っているのではなく、自ら学びに行くという姿勢が育まれると期待している。当校では国語や英語といった教科ごとに区分けした『教科メディア』と呼ばれるスペースを設け、各教科に関係する資料や書籍を配架し、生徒の作品も展示している。椅子やテーブルが置かれて生徒が自由に歓談できるようにもなっており、授業中にグループワークなどで使うことができる。こうした環境を、テーマを持って調べる探究的な学習はもちろん、部活動や委員会活動、行事などにも生かせたら」と期待を寄せる。

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