
板橋区立中央図書館(板橋区常盤台4)で5月1日、「世界の子ども本展-国際アンデルセン賞とIBBYオナーリスト-」が始まった。2024年IBBYオナーリストに選ばれた児童書と国際アンデルセン賞の作品を展示し、手に取って見ることができるようにする。
おはなしの部屋で多言語のおはなし会を楽しむ親子(写真提供=板橋区立中央図書館)
IBBYは国際児童図書評議会のことで、1953年にスイスのチューリッヒで発足。「子どもの本を通して国際理解を深め、世界に平和を」という理念を掲げ、2024年現在85の国と地域が加盟している。IBBY主催の国際アンデルセン賞は「小さなノーベル賞」ともいわれ、日本では、赤羽末吉さん、安野光雅さん、まど・みちおさん、上橋菜穂子さん、角野栄子さんが受賞している。2024年は、オーストリアのハインツ・ヤーニッシュさんで、画家賞はカナダのシドニー・スミスさんが受賞した。
IBBYオナーリストは、隔年で発行している権威ある児童書リストで、現在は、文学作品、イラストレーション作品、翻訳作品の3部門から成る。各国支部が自国の新作の中から外国に紹介したい作品を選定する。2024年版の同リストで、日本からは「夜叉神川」(安東みきえ・作)、「なきむしせいとく」(たじまゆきひこ・作)、「見知らぬ友」(マルセロ・ビルマヘール・作、宇野和美・訳)が推薦された。
会期中、図書館ホールではIBBY各国支部が推薦する児童書や国際アンデルセン賞受賞者の作品などを展示。おはなしの部屋では、翻訳家による「おはなし会」を行う。3日=おおつかのりこさん・武富博子さん(英語)、5日=愛甲恵子さん(ペルシャ語)、10日=片桐早織さん(アラビア語)。開催は、いずれも14時~14時30分。
同館担当の甲斐田千紘(かいだ・ちひろ)さんは「普段はなかなか目にすることのできない世界の絵本や児童書が集合する機会。海外の本だからと敬遠せず、表紙の絵が面白そう、絵がきれいなど、単純に興味を持った本を気軽に手に取っていただければ」と来館を呼びかける。
開場時間は9時~20時(10日のみ17時閉場)。入場無料。5月10日まで。