板橋区立教育科学館(板橋区常盤台4)の地下1階展示室で現在、館内の展示物を改造するイベント「教育科学館遊園地化計画」が開かれている。
オープニングセレモニーでリニアモーターカーを体験する様子(提供=教育科学館)
清水輝大(てるひろ)館長によると「子どもたちや企業が既存の展示物を利用して、新たな展示へと変化させていく」のが狙い。「改造された展示物に対して来館者がリアクションすることで、展示物もどんどんアップデートしていく予定」だという。
中台小の4年生がプログラミングを組んだ「写真を撮れるリニアモーター装置」、山口情報芸術センター(山口県山口市)の「スマートフォンとボールを組み合わせた新しいスポーツ」、タニタの「体組成計を応用したゲーム機」などを展示している。
展示室入り口の壁には、来館者の「理想の科学館」を書いて貼り出し、それに対して別の来館者がコメントや実現のためのアイデアを書き残すことができるようにしている。
地下の展示が老朽化してきたことが企画の発端にあるという今回の企画。清水さんは「ただ新しいものに変えるというのではなく、来館者みんなで作っていくことを通して、より楽しめる科学館にしていきたい」と話す。「展示室の外に飲食スペースを設けるなど、地域の皆さんが集まっていろいろなアイデアを生み出せる共創の場となる科学館にしていきたい」と意欲を見せる。
同館2階では「いたばしアニメ博」を同時開催。同館研究員の山端健志さんが個人所蔵しているものなどを多数展示し、現在のアニメーションの起源にあったさまざまな装置や、日本で発明された珍しい紙フィルムを展示する。土曜は解説や映写機を使った上映会も行っている。「電気制御以前は紙でできているものが多いので、工作の要領で再現できる。自由研究にも利用してもらい、文化保存の前例を作っていきたい」と山端さん。
開催期間中の開館時間は9時~17時(地下展示室の最終退出は16時45分)。9月1日まで。「いたばしアニメ博」は9時~16時(12時~13時は休憩)。8月30日まで。月曜休館。観覧無料。