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競泳・萩野公介さん、水難事故から命を守る「着衣水泳」啓発イベントに

着衣水泳についてのトークセッションを行う萩野公介さん

着衣水泳についてのトークセッションを行う萩野公介さん

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 リオデジャネイロオリンピックで競泳・400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介さんをゲストに迎え、水の事故から身を守るための「着衣水泳」啓発イベントが7月3日、スポーツオアシス赤塚24Plus(板橋区赤塚新町2)で行われた。

服に空気を入れ「浮いて待て」を実演する萩野公介さん

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 フィットネスクラブ7社が共同開催した同イベント。夏に増える、海や川、プールなどで起こる水難事故。その多くは着衣状態で起きていることから、衣服を着たままでの泳ぎにくさ、万が一の時の救助の待ち方などが体験できる「着衣水泳」を広く知ってもらうために企画。

 前半は、萩野さんとルネサンスで水泳コーチの経験もある勝部久代さんとのトークセッション。萩野さんは「私自身、水泳に育ててもらったので、水の事故のニュースを耳にするとすごく悲しい気持ちになる」と話した。勝部さんは「知っていることで守られる命がある。実際、東日本大震災の時には、3メートルの津波に遭った子どもが着衣水泳を知っており、『浮いて待て』を実践し助かった事例もある。万が一の時に備えて多くの人に着衣水泳の知識を知ってほしい」と呼びかけた。

 後半では、萩野さんが服を着たままプールに入る「着衣水泳」を実演。救助を待つときの基本姿勢である「浮いて待て」を体験。背浮きで少しおなかを突き出し、手足は広げて水の中に、楽な呼吸を心がける。服や靴は浮きやすいので脱がない。ペットボトルなど浮きやすいものを抱える。浮くものがない場合は、服に空気を入れ浮具の代わりにする方法も披露した。勝部さんは「溺れた人を発見した場合も、すぐに飛び込むのではなく水に浮くペットボトル、クーラーボックス、ランドセルなどを溺れている人に投げてほしい」と呼びかけた。

 実演した萩野さんは「服の中に空気が入り、まとわりついてきて不思議な感じがする。重さもかなりあるので、パニックになってしまうのも理解できる。正しい知識を知り備えることが大切」と話した。

 同施設を経営するスポーツオアシスの広報若林恵子さんは「初の7社合同イベントで大変だったが、無事に開催できて良かった。各社とも子ども向け着衣水泳教室を開いているので、このイベントを機に多くの人に知ってほしい」と呼びかけた。

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