板橋区立美術館(板橋区赤塚5)で開催中の「椿椿山(つばきちんざん)展 軽妙淡麗な色彩と筆あと」が、間もなく閉幕する。
椿椿山は江戸幕府の下級役人を務めながら、絵師の金子金陵(きんりょう)や谷文晁(ぶんちょう)、渡辺崋山(かざん)に学んだ江戸時代後期を代表する文人画家の一人。中でも崋山の技法を取り入れた色彩豊かな花鳥画や肖像画の制作に力を注ぎ、12年の歳月をかけて完成させたとされる崋山の肖像画や、蘭(らん)学者・高野長英の肖像画などが知られている。
同館学芸員によれば、今回の企画展は「当館所蔵の作品を始め、椿山の作品を多数収蔵する田原市博物館(愛知県田原市)の協力で、全国の美術館・記念館ほか個人蔵の貴重な作品やゆかりの品を一堂に集めた、関東圏では初の本格的な展示」だという。国の重要文化財に指定されている代表作品を含めた全112点を前後期に分けて紹介する。
「蛮社(ばんしゃ)の獄で幕府に捕らえられた崋山を救済するために奔走したことを記した資料や、板橋区立郷土資料館収蔵の椿山の日記なども見どころ」とも。
会場受付では、ポストカードや関連書籍、同展図録(2,500円)を販売する。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。観覧料は、一般=650円、高校・大学生=450円、小・中学生=200円(土曜は小中高校生は無料)。今月16日まで。