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板橋区立美術館収蔵作品の修復事業でGCF活用 貴重な美術品を次世代に

今年度の修復を予定する英一蝶「一休和尚酔臥図」

今年度の修復を予定する英一蝶「一休和尚酔臥図」

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 板橋区が9月1日、板橋区立美術館収蔵作品の修復費寄付受け付けを始めた。

室町時代後期の画僧・啓孫の「達磨図」

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 板橋区立美術館は、1979(昭和54)年5月に東京23区初の区立美術館として開館。開館以来、貴重な美術作品を収集し、江戸狩野派をはじめとする近世絵画、大正から昭和初期にかけての前衛美術、板橋区ゆかりの作家の作品を中心に収蔵する。2022年7月現在、古美術作品178点、近現代作品941点の計1119点を所蔵しているという。

 同館職員は「当館の所蔵作品は専用の収蔵庫で厳重に管理・保管しているが、中には経年劣化が進み、専門家による修復が必要な作品がある。作品を計画的に修復し、次の世代に伝えることだけでなく、修復の過程で画家たちの優れた技術や制作当時の状態などを発見できることもある。そのために、多くの方のご理解と支援を募りたい」と話す。

 寄付呼びかけは令和4年度を初回に、令和5年度・令和6年度と3回にわたって行い、3カ年の合計目標金額は1,200万円。今回の目標額は300万円で、江戸中期に活躍した英一蝶(はなぶさいっちょう)作「一休和尚酔臥(すいが)図」や、室町時代後期の画像・啓孫(けいそん)の「達磨(だるま)図」、江戸時代後期の画家・住吉廣尚(ひろなお)・廣隆(ひろたか)「春秋遊楽図・四季花鳥図屏風」、このほか近現代作品の修復を予定している。

 寄付金受け付けは「ふるさと納税型クラウドファンディング(ガバメントクラウドファンディング=GCF)」などを活用する。自治体主導で用途を明確にして寄付を募るGCFのため、支援者はふるさと納税と同様に寄付金控除を受けることができる。板橋区ではこれまでもGCFを通じ、東京都指定有形文化財認定を受けた古民家の保存・管理体制強化を目的とするプロジェクトや、植村直己ゆかりの「植村冒険館」移転リニューアルオープン支援、児童養護施設の卒園者支援などを行っている。

 同美術館所蔵作品の修復プロジェクト支援の寄付は「ふるさとチョイス」サイトを通じたクレジットカード払いや各種オンライン決済サービスのほか、板橋区役所4階の経営改革推進課窓口、金融機関による納付書払いで受け付ける。11月30日まで。

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