極真会館所属の南原健太選手が8月28日、後楽園ホールで開かれた格闘技大会「RISE(ライズ)161」に参戦。元ムエタイ王者を相手に2ラウンドTKO勝ちを収め、キックボクシング再起戦を勝利で飾った。
南原選手は板橋区出身の空手家兼プロキックボクサーで、2021年7月に行われた「RISE151」でプロキックボクサーデビュー。デビュー戦から3戦3勝3KOの快進撃を続けて今年4月にRISEの祭典「RISE ELDORADO(エルドラド)2022」に臨むも、総合格闘技イベントの元ヘビー級王者を相手に敗戦を喫し、「強くなって戻ってきます」と再起を誓っていた。今大会を前に6月に出場した「2022オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会」の軽重量級(90キロ以下)部門で優勝を果たしたこともあり、大会前日の会見で南原選手は「極真王者になって、自分の内面的なもの、耐久力、パワー、技の精度、全てがレベルアップした姿を見せることができると思う。極真王者として必ず勝ちたい」と話していた。対するジェット・ペットマニーイーグル選手(矢場町BASE)は元MAX Muay Thai(ムエタイ)王者で、今回がRISE初参戦。
第6試合、試合開始のゴングで両者間合いを詰めながら、南原選手はローキックや後ろ回し蹴り、相手をコーナーに詰めての飛び膝蹴りなど極真仕込みの多彩な蹴り技にパンチのコンビネーションを織り交ぜて攻めるも、ジェット選手はガードでブロックしながら前蹴りや素早いミドルキックとストレートなどで応酬。両者決定打のないまま迎えた2ラウンド目、ジェット選手のハイキックを受けながらも、南原選手はガードを下げて挑発するかのように笑みを浮かべながら前に出て、中盤に重いパンチ連打から押し倒すようにして最初のダウンを先取。終盤も南原選手はボディブローやフックなどパンチ主体の攻撃で圧倒し、コーナーを背に防戦一方となったジェット選手にパンチのラッシュを浴びせたところでレフェリーが試合をストップ。2ラウンド2分59秒、TKOで勝利した南原選手は笑顔で喜びをあらわにした。
試合後、リング上でマイクを手にした南原選手は「私情になりますが、今日どうしてもKOしようと決めていて、KOする約束をしたのは親父で、2日後に手術が決まっています。親父、手術負けるなよ」と客席の父親にエールを送った。試合後のバックステージインタビューでは、「この前の負けですごく成長できたし、重い階級のパンチを受けていたので今回は倒される気がしないというか、最初の一発をもらった時に大丈夫だなというのがあったので、試合はノビノビできた。今回はパンチで倒してみたい、というテーマが達成できて満足している。もう少し実力を付けて、RISEのチャンピオンに必ずなります」とも。
RISEクリエーションの伊藤隆代表は大会総括の中で、「(南原選手は)もっと行けるポテンシャルを持っているので、フィジカルと体作りに専念していただきたい」と期待を寄せる。