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板橋・ギャラリーTSDで「カベ」「つながり」を考えるデザインワーク展

旧神奈川医療少年院跡地の仮囲いパネルの一部

旧神奈川医療少年院跡地の仮囲いパネルの一部

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 板橋区を拠点に活動する「TOKYO SOCIAL DESIGN(トーキョー ソーシャル デザイン、以下TSD)」が2月11日、「gallery(ギャラリー)TSD」(板橋区板橋3)で「カベ トビコエル!展 vol.1」を開催する。

「カベってなんだ?」

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 TSDは福祉事業所などを対象に国内外で長年活動してきたコンサルタントやプロデューサー、デザイナーらで構成されたプロジェクトチームで、アートやコミュニケーションデザインによる共生社会の実現や社会福祉事業の課題解決に向けて、情報発信のメディア制作やデザイン企画、イベント運営などを行っている。

 同展では、TSDがデザインワークを手掛けた「旧神奈川医療少年院仮囲いプロジェクト」に関する紹介展示や、プロジェクトの背景とデザインプロセスなどをまとめた「カベとびこえる新聞」の配布、国内の刑務所で作られた商品などを販売。缶バッジ作りワークショップ(300円)も行う。

 旧神奈川医療少年院(神奈川県相模原市)は2019(平成31)年3月、機能移転に伴い閉鎖。法務省が昨年、跡地に「神奈川少年更生支援センター(仮称)」を設立する計画を発表した。跡地周囲には不法侵入などを防ぐための仮囲いを設置し、法務省矯正局少年矯正課の依頼でTSDが仮囲いのデザインを担当。2021年12月に仮囲いのデザインが完成し、TSD公式のユーチューブチャンネルで同課担当者を招いてネット配信のトークイベントを行うなどしていた。

 TSDの加藤未礼さんは、「もともとほかの少年院のイベントプロジェクトを手掛けた縁で、医療少年院に入所する少年さまざまなたちと近隣の中学校生徒たちの絵を使って仮囲いをデザインできないかと、法務省矯正局の方から相談を受けた。中学生たちが考えた『つながり』をテーマに少年院の少年と中学生たちが描いたその絵に込められた思いを活かすために、少年院跡地と地域の間にそびえ立つ仮囲いを、物質的に存在するだけでなく心理的な見えないカベにも見立てて『カベってなんだ?』と問いかける今回の新聞と展示のコンセプトにした」と話す。

 長さ約220メートルの仮囲いには、少年院の少年と中学校の生徒たちから集められた110枚の絵と、「なにとつながる?」をテーマに行ったワークショップで引き出された言葉を使ってデザインした80枚のパネルを設置した。

 加藤さんは「地域の少年院と中学校、さまざまな世代や属性の人たち、時や思いも超えていろいろなものが混ざり合っていくイメージが具現化されていく様子を、展示や配布する『カベとびこえる新聞』を通じて感じてもらえたら」と話す。

 開催時間は11時~18時。2月15日まで。

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