板橋区立氷川図書館(板橋区氷川町)は9月26日、郷土史講演「中世の板橋と豊島一族・太田道灌(どうかん)」を行う。
講師は郷土史家・ノンフィクション作家の葛城明彦さん。
講演では、氷川町という地名の由来になった氷川町・氷川神社を建立したとされる豊島経泰(としまつねやす)ら豊島一族や、第5代・鎌倉公方(くぼう)の足利成氏(しげうじ)による関東管領・上杉憲忠(のりただ)暗殺をきっかけにして室町時代中期に関東一帯で28年の長期にわたって繰り広げられた「享徳(きょうとく)の乱」を背景にした太田道灌(どうかん)と豊島一族の戦い、赤塚城・板橋城・下頭(げとう)橋と旧川越街道など中世の板橋区域のスポットについて解説する。
講師の葛城さんは板橋区在住で、後楽園ホールなどで開催されるプロボクシングの興行で公式レフェリーを務めるかたわら、板橋区・練馬区など地域の歴史や昭和の事件簿に関するコラムなどを雑誌に寄稿するノンフィクション作家としても活動する異色の日本史研究家。書籍「決戦-豊島一族と太田道灌の闘い-」の新装改訂版を今秋刊行予定で、今回はその中から板橋区にちなんだ内容を中心に紹介する。
漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)では北条早雲を主人公にしたゆうきまさみさん作の「新九郎、奔(はし)る!」、「週刊少年ジャンプ」(集英社)では北条時行を主人公にした松井優征さん作の「逃げ上手の若君」など鎌倉時代を舞台にした漫画が現在連載中で、来年は北条義時を主人公にしたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送や、「平家物語」を扱った民放深夜帯のアニメ放送やアニメ映画公開も待機している。
葛城さんは「日本中世史を題材にした作品に注目が集まっている今、自分たちが暮らす地域の史跡や中世に起きた出来事に目を向けてもらう良い機会になれば」と話す。
13時40分開場。開催時間は14時~15時30分。定員は先着20人。参加無料。
事前予約制で、申し込みは氷川図書館の受付カウンターと電話(TEL03-3961-9981)で受け付ける。