板橋区立赤塚植物園(板橋区赤塚1)で2月4日、例年より1カ月も早くニホンヒキガエルが姿を見せた。
カエルは変温動物のため、最高気温が10度を下回ると冬眠に入るとされ、通常は11月下旬ごろから3月上旬にかけて冬眠するといわれている。今季は暖冬の影響か、立春を迎えた同日の園内の池では例年より1カ月も早く、産卵で活発に動き回るカエル姿が多く見られたという。
園長の山上善巳(やまかみよしみ)さんによれば、「『カワズ(蛙)合戦』と言って、春の風物詩として暖かくなってくると産卵期を迎えたカエルが多数水辺に姿を見せるが、うちでも毎年3月になると数日の間20~30匹のカエルが池に集まってくる。それが、2月のこの時期に10匹ほどのカエルが早々と池に集まっていて、暖冬だったのだなと感じた」と話す。
同園は約1ヘクタールの敷地内に、区の花であるニリンソウを始め約600種の樹木・草花・山野草が植えられ、四季折々の植物の表情を楽しむことができる。この時期は新春を告げる花の代表格の一つ「フクジュソウ」や、「ニホンズイセン」「カンツバキ」などが花を咲かせて見頃を迎えている。
山上さんは「寒波の影響ですぐに寒くなってくるようだから、寒い時期にはシモバシラの霜華(そうか)も楽しめると思う」とも。
シモバシラはシソ科の多年草で、冬には地上に出ている部分は枯れるが、地中の根は水分を吸い上げて枯れた茎の隙間から水分がにじみ出て、寒さが厳しくなると3~5センチほどのカールした羽毛のようにも白い繭のようにも見える独特な氷の結晶をまとう。同園の冬のシモバシラの映像や写真は、寒くなってきた都内の様子を伝えるテレビ番組や新聞などで度々取り上げられている。
開園時間は9時~16時30分。月曜、第1・3・5火曜休園。入園無料。