いたばしものがたりプロジェクトが10月6日、いたばし総合ボランティアセンター(板橋区本町)で「縁結び落語会」、10月19日に歴史ウォーク「板橋宿散歩 近藤勇や縁切榎(えんきりえのき)ゆかりの地を巡る」を行う。
歴史ウォーク終了後に食事会を行う、縁切榎ゆかりの「長寿庵」名物・榎そば
「縁結び落語会」では、柳亭(りゅうてい)こみちさんが落語2席を上演。そのうちの一つが「板橋宿」ゆかりの演目で、幕末から明治に活躍した三遊亭圓朝(えんちょう)作の古典落語「縁切榎」を披露する。
こみちさんは2003(平成15)年、大学卒業後、出版社勤めをしていた際にたまたま足を運んだ寄席で現・人間国宝の柳家小三治さんの落語に魅了され、小三治さん門下の七代目・柳亭燕路(えんじ)さんに入門。下積みを経て2006(平成18)年に二ツ目に昇進し、結婚・出産後の2017(平成29)年9月に真打ちに昇進した。数少ない女性落語家の中で、落語会初の「2児を育てる現役ママ」の真打ち昇進は話題となった。現在も男の子2人の子育てに追われながら、テレビ・ラジオ番組などを含めて多数の高座に上がる一方、CMやナレーション出演、コラム執筆などに才能を発揮している。
会場のいたばし総合ボランティアセンター近くにある「縁切榎」の木は3代目とも4代目ともいわれ、全国から願掛けに人々が訪れる「悪縁を切り、良縁を結ぶパワースポット」として知られている。1986(昭和61)年に板橋区指定の記念物(史跡)として文化財登録され、いたばし観光センター(板橋区板橋3)内では初代とされる榎の枯木を展示している。江戸期から中山道第一の宿場町・板橋宿を代表する名所の一つとして全国に知られ、圓朝の落語では日本橋浪花町(現・中央区人形町)に住む芸者と深川六間堀町(現・江東区新大橋)の良家の娘、どちちらを選ぶべきか思い悩む旗本の息子が、どちらにも縁切りを言い出せずに板橋の縁切榎に足を運ぶ騒動が描かれている。
いたばしものがたりプロジェクトによる「板橋宿ものがたり」の一環として行う同イベントは、落語会前にアート作家・猫沢八郎さんによる「みんなでつくる!えんきり絵の木」ワークショップを行うほか、10月19日は郷土史家・葛城明彦さんがガイドを務める歴史ウォーク「板橋宿散歩 近藤勇や縁切榎ゆかりの地をめぐる」を行う。JR板橋駅前の「近藤勇墓所」や処刑場跡地から旧中山道(なかせんどう)を上り、縁切榎に関わる伝承を持つ氷川神社富士塚(板橋区氷川町)や新旧縁切榎などを案内する。
10月6日はいたばし総合ボランティアセンター3階第4ルームを会場に「みんなでつくる!えんきり絵の木」ワークショップ(11時~13時00分、参加無料)、「縁結び落語会」(13時30分開場・14時開演)を行う。入場料は、一般=1,500円、板橋宿ものがたりの有料イベント参加者=1,000円、高校生以下無料。
10月19日の歴史ウォークは、12時50分JR板橋駅東口駅前広場集合・13時出発。参加費は、歴史ウォークのみ=500円、榎そばの食事付き=1,000円。定員20人。
いずれも事前予約制。参加申し込みは「板橋宿ものがたり」特設フォームで受け付ける。