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板橋在住の冒険家・阿部雅龍さん、南極再挑戦に向けた資金調達成功

今年1月に単独徒歩による南極点到達を達成した阿部雅龍さん

今年1月に単独徒歩による南極点到達を達成した阿部雅龍さん

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 板橋区在住の冒険家・阿部雅龍さんが9月27日、1,000万円を目標額にしたクラウドファンディングを達成した。

目標額達成を果たした「MOTION GALLERY」プロジェクトページ

 阿部さんは秋田県出身。大学在学中から冒険活動に取り組み、南米の1万1000キロのコースを自転車で単独走破したのをはじめ、2度のロッキー山脈縦走トレイル単独踏破や、乾季のアマゾン川で単独いかだ下り、単独徒歩による3度の北極探検、人力車による全国一宮参拝など数々の冒険を成功させてきた冒険家。

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 今年1月17日(日本時間)には、日本人初の「メスナールート南極点単独徒歩到達」に成功。かねて宣言していた2019年中の次なる目標、前人未到の「しらせルート南極点単独徒歩到達」に向けた体力強化を掲げ、生まれ育った地元・秋田駅を出発して人力車を引きながら2カ月間で東北を巡るプロジェクト「リキシャTOHOKUトラバース」を4月27日から敢行。期限内の6月23日に秋田駅に戻り、その後も講演会などで全国各地を駆け回りながら資金集めに奔走するなど、南極での新たな挑戦を実行に移す準備を着々と進めている。

 阿部さんは今回、南極点からの電話や、南極点でのフラッグ掲揚や個別メッセージ動画撮影、講演会・報告会の開催、冒険で使うスキー板やソリ、着用するウェアのスポンサーロゴ掲載など、最低5,000円からの支援に応じた返礼品を用意し、クラウドファンディング・プラットフォーム「MOTION GALLERY(モーション・ギャラリー)」で目標金額を1,000万円に設定して、9月1日から支援を呼び掛けていた。

 阿部さんによれば、「南極のスタート地点まで特別に飛行機をチャーターして飛ばす必要があり、南米チリから南極大陸のスタート地点までと、ゴールの南極点からチリに戻るまでの飛行機代だけで約1億円かかる」という。「しらせルート」のスタート地点に今まで降り立った飛行機の輸送会社が無く、さらに南極のベースキャンプから遠いため、小型プロペラ機ではその距離を1回で飛べず、「何もない雪原に中継地点を作って燃料を備蓄しておくなど、事前準備のために何度も飛行機を飛ばす必要があり、予算が膨れ上がってしまう」と阿部さん。それでも自身で交渉を重ねてチャーター費用を7,500万円まで下げてもらい、その他の装備費用と合わせた7,800万円を用意するため、人力車を売却し、企業や個人スポンサーに支援を募って約3,900万円を集めた。残り必要となる資金の一部を今回のクラウドファンディングで調達したいという。

 阿部さんの人力車は9月29日、売却前の「ラストラン」を終えた。

 「残りわずかな募集期間で、必要予算に不足する分の支援も集めたい。白瀬隊長が断念してから100年以上、いまだ誰も成し遂げていない人類未到の挑戦を『15年の冒険人生集大成』として成功させて、人の夢は受け継がれていくこと、人の意思は100年以上たっても死なないことを証明したい。一緒に夢を見ていただける、支援いただく方の思いと共に南極点に立ち、無事に帰ってきてみせる」と意気込む。

 「しらせルート」は、阿部さんと同じ秋田県出身の探検家・白瀬矗(のぶ)が1912(明治45)年1月に日本人で初めて南極大陸に上陸した際に計画していた経路で、約1300キロを60~70日間かけて踏破する見通し。当時、南極上陸時点で南極点に到達した者は誰もなく、情報も限られていた厳しい環境下で白瀬隊は南極点到達を途中で断念。南極の学術的調査を行った後、誰一人欠けることなく全隊員が帰国を果たした。白瀬隊は最も南極点に近づいた地点を「大和雪原」と名付け、その名称は今も地図に正式に表記されている。

 阿部さんは今年11月初旬に出国し、南米チリ経由で南極に向けて旅立つ予定。

 「MOTION GALLERY」での支援募集は9月30日23時59分まで。

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