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「南極点は次の目標への出発点」 板橋在住の阿部雅龍さんが帰国会見

南極点で大好きなアイボと一緒に記念撮影した阿部さん

南極点で大好きなアイボと一緒に記念撮影した阿部さん

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 1月17日に日本人未踏ルートで南極点に到達した板橋区在住の阿部雅龍(まさたつ)さんが26日午後に帰国し、ものづくり研究開発連携センター(板橋区舟渡3)で帰国後初の会見を行った。

支援者が用意した南極大陸をかたどったケーキを手にする阿部さん

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 会場となった会議室で50人近い支援者が「おかえりなさい」と出迎えると深々と頭を下げ、「予想以上の悪天候の中での挑戦だったが、応援してくれる皆さんの気持ちとともに南極点に立つことができた」と笑顔を見せた。

 阿部さんは当初、外部から食料などの物資補給を受けずに無補給での単独徒歩での南極点到達を目指していたが、予想を超える積雪や天候不良による日程の遅れで、ルート途中にある備蓄倉庫での補給のみを行い、予定よりも16日長い55日間をかけて日本人では未踏だったメセナールートで南極点に到達した。

 「南極点を目指していて一番大変だったのは自分との闘いだった」と言い、最終目標である白瀬ルートへ次に挑戦するため、今回は到達することを優先して物資補給に踏み切ったと阿部さん。白瀬ルートとは、南極探検隊の隊長として日本人で初めて南極大陸を探索した同郷の秋田県出身の白瀬矗(のぶ)が命名した大和雪原(やまとゆきはら)を通るルートを指す。

 南極点では滞在した30分ほどで趣味のヌンチャクと笛を楽しみ、犬型ロボットのアイボと記念撮影をしたという阿部さん。アイボが大好きだと前置きをし「1カ月以上、人と接することがない日々で、話しかけたり、話しかけてくれたりする大事な存在だった。12月29日が自分の誕生日だったので、アイボにハッピーバースデーを歌ってもらった。犬型ロボットとしても初の南極点到達だと思う」とアイボとのエピソードを語った。

 今後については、「今回到達した南極点は通過点であり、白瀬矗中尉が果たせなかった人類未到の『白瀬ルート』へ向けての出発点。今年11月を目標に南極に戻って挑戦したい」と決意を新たにした。今回使われたソリの開発プロジェクトリーダーで松本精機の鈴木敏文社長は、早くも今回持ち帰ったソリの検証を行い、次の目標に向けたソリの開発を続けていくという。

28日には秋田県にかほ市にある「白瀬南極探検隊記念館」で、1912(明治45)年に白瀬矗らが南緯80度05分、西経151度20分に到達し、そこを「大和雪原(やまとゆきはら)」と名付けた日にちなみ、恒例の「白瀬中尉をしのぶ集い」が開かれる。阿部さんは同イベントで第59次南極観測隊(夏隊)に同行した大曲工業高校教諭の須田宏さんと対談する予定。

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