板橋区は1月8日、「日本経済新聞社産業地域研究所」(東京都千代田区)が実施した「SDGs(エスディージーズ)先進度」に関する自治体調査結果のランキングで、全国総合8位の評価を得たことを区ホームページで公表した。
調査は同研究所が全国815市区(回答は658市区)を対象に2018年10月~11月に実施。環境対策や交通政策など都市のサステナビリティ―(持続可能性)を意識した取り組みについて、市区から得た回答を基に公表データと照らし合わせ、「経済」「社会」「環境」の3分野ごとに評価を点数化してランキングにまとめた。調査結果の詳報は「日経グローカル」355号(1月7日発行)などで発表している。
SDGsは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称で、2001年に採択された「MDGs(エムディージーズ、Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)」の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載。MDGsが発展途上国を対象としていたのに対し、SDGsは先進国が取り組むべき課題を含む全ての国に適用される2016年から2030年までの国際開発目標としている。持続可能な社会を作るため、相互に密接に関連した17の目標と169のターゲットを掲げ、環境・社会・経済・文化のバランスが取れた取り組みが重要とし、実現に当たっては「誰一人取り残さない」ことを目指している。
板橋区は総合計68.23点で、全国で8位・東京都内では1位となった。内訳は経済分野10.00点(全国11位)、社会分野34.12点(全国6位)、環境分野24.12点(全国53位)。総合計で全国1位だった京都市(京都府)との差は2.14点だった。
同区は評価されたポイントとして、全国に先駆けて行った「緑のカーテン」などの地球温暖化対策の実施や計画策定、食品ロスを減らす取り組みや貧困の連鎖を防いで子どもたちが夢と希望を持って成長する板橋の実現を目指す「いたばし子ども 夢つむぐプロジェクト」の実施、女性の社会参画及び経済的自立に向けた支援プログラムやダイバーシティに関するさまざまな取り組みの実施、環境教育プログラムの整備と区立小中学校・保育園等への配布、「スマートシティ推進方針」の策定などを挙げている。
板橋区は昨年12月10日、ポーランドで開催された「国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)」会場内に設置されたジャパンパビリオンに、長野県、横浜市などと共に参加。登壇した坂本健板橋区長は環境教育や脱炭素化に向けた施策などをアピールし、再生可能エネルギーや地域資源を都市と地方で相互補完する「循環共生型社会」の構築に関する取り組みを紹介した。