ネパール創作ダイニング「だいすき日本」(板橋区仲町)が2018年12月17日、東武東上線・中板橋駅南口近くに営業を再開した。
ネパール人シェフのプラダハン・ビカスさんが店主を務める同店。生活拠点を日本に移すため1995年に来日し、当時新宿にあったアメリカングリル・レストランに就職して、キッチンスタッフとして修業を積んだ。その後、六本木のライブ・レストラン「スイート・ベイジルSTB139」や「グランドハイアット東京」のレストラン勤務を経て、2010年10月に板橋区中板橋駅の北側に自身の店「だいすき日本」を構えた。
ビカスさんによると、出店から1カ月は来客がほとんどなく苦しい状態が続いたという。事態が一変したのは2011年11月。ビカスさんが友人に送っていた「ごめんなさい きようもおきやきさん(今日もお客さん)きませんでした やられたね」など来客状況を片言で伝える和文メールをツイッターに投稿し始めたところ、板橋区在住者のグルメブログやネットの掲示板サイトなどで「悲しすぎるツイートの店」と話題になり、数日のうちに全国から訪れる来店者で店外に長蛇の列ができるようになった。
2012年5月には2号店を原宿にオープンしたが、同年9月に閉店。2014年9月には過去の調理経験を生かして「だいすき日本」の2軒隣にグリルステーキ店「STEAK&BURGER だいすき日本」(後にカレー店と統合し『VIKAS's CURRY & GRILL だいすき日本』に変更)をオープンしたが、2016年8月8日、諸事情により閉店した。当時は閉店することを知った常連客や地域の人々が集まったり、最終日には食材がなくなってメニュー提供ができなかったりしたという。
「しばらくの間、大崎や六本木のホテルや式場で調理スタッフとして働いていたが、変わらず中板橋で暮らしていた。板橋区外に店を出すことも考えたが、近所の人や街中で顔見知りの人と会う度に、また中板橋でお店をやってねと声を掛けてもらえたことがうれしかった」とビカスさん。
ビカスさんによると、住居を管理する不動産会社からも「良い物件が見つかったらすぐに紹介する」と言われ、実際に物件の内覧にも足を運んだという。営業再開の決め手について、ビカスさんは「小さ過ぎず大き過ぎず、ここだったらお店を再開したいと思う場所にめぐり合えた」と笑顔を見せる。
2018年11月、ビカスさんがツイッターに「もういちど だいすき にっぽん なかいた やります よろしく おねがいします(以上、原文ママ)」とツイートしたところ、「おかえりなさい!」「ずっと待っていました!」「うれしい!ぜったいに いきます!」など500件以上のコメントと1000件近くのいいねが寄せられた。
「オープンしてから、以前よくお店に来てくれていた人がみんな来てくれて『おかえり』と言ってくれた。応援してくれるみんなのために、また頑張らないと」とビカスさん。「だいすき日本」新店舗にかかる看板は、交流のあった近隣の茶葉店「茶舗小宮園」が「いつかお店を再開する時のために」と保管していた物だという。
ランチメニューは、チキン・キーマ・ダール(豆)・日替わりの4種類から選べる「カレーライス」(500円)、「カレーナン(サラダ付き)」(700円)のほか、4種類のカレーから2種類をあいがけにできる「ダブルカレーライス」(650円)、「ダブルカレーナン(サラダ付き)」(800円)、ダブルカレースパイシーポテトナン(サラダ付き)」(980円)、「ダブルカレーチーズナン(サラダ付き)」(1,050円)など。
ディナーメニューは、チキンカレー(850円)、キーマカレー(950円)、ダールカレー(790円)、ベジタブルカレー(790円)、ポークカレー(890円)、マトンカレー(850円)、バターチキン(1,050円)など種類も増え、さまざま味を取りそろえた「ナン」(290円~)、モモ(2個300円)、セクワ(500円)、チョウメン(700円)といったネパール料理を中心に、インド料理、メキシコ料理など一品メニューも各種取りそろえる。
席数は、テーブル席が4人掛け2卓・2人掛け2卓の12席、小上がりの座敷席(最大12人掛け)の計24席。
営業時間は、ランチタイム=11時~15時、ディナータイム=17時~22時。火曜定休。