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板橋区立美術館で「タラブックス」企画展 インド料理食べ放題&トークイベントも

本場さながらに提供されたミールスを手づかみで味わう参加者たち

本場さながらに提供されたミールスを手づかみで味わう参加者たち

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 板橋区立美術館(板橋区赤塚5)で現在、企画展「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」が開かれている。

ミールスの食べ方や南インドの文化を紹介するマサラワーラー

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 南インド・チェンナイにある「タラブックス」は、絵本「夜の木」が2008年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展でボローニャ・ラガッツィ賞を受賞して以降、国際的に注目を集めているという出版社。

 11月25日から始まった同展では、タラブックスのハンドメイド本を中心に、原画、写真、メーキング映像など資料約300点を展示。同社の本作りの全容を紹介している。

 板橋区立美術館では2008年、「ボローニャ国際絵本原画展」を開き、「夜の木」を紹介したほか、毎年行っている絵本講座「夏のアトリエ」で2013年にタラブックス社長のギータ・ウォルフさんを講師に招いた。同講座に参加したタカハシカオリさんは2015年、おぐまこうきさん、齋藤名穂さんは今2017年秋にタラブックスから絵本を出版。同展でも特別展示している。

 12月17日は同展の企画イベントとして、インド料理ユニット「マサラワーラー」を招き、南インド料理「ミールス」の食べ放題&トークイベントを行った。

 「マサラワーラー」は2008年、画家の武田尋善さんとシタール奏者の鹿島信治さんの2人で結成した「インド料理ユニット」。インド愛をテーマにしたトークと自家製のインド料理振る舞いを、東京都内を拠点に全国で展開している。南インドの新聞やラジオ、テレビ番組などのメディアにも取り上げられ、昨年5月に公開された現地の映画にも出演した。

 2人によると、現在週1~2日ペースでライブハウスや食堂などのイベントで「ミールス」を振る舞い、イベントの合間をぬって武田さんは制作した絵画などの個展を年2回ほど開き、鹿島さんはシタールとドラム編成の2人組バンドで音楽活動も行っているという。

 武田さんは「昔は調理場にこもったまま2人でひたすら調理していて、イベントに誰が来たのか分らないということもあり、来場者一人ひとりの顔を見て給仕して『食べさせて回る』今のスタイルになった。数十人から百人分の仕込みをして会場に運ぶ作業は毎回大変だが、来場者との交流が何より楽しい。今日も6時から揚げ物をした後、鹿島の自宅に場所を移して二人で仕込みをして会場まで運んできた」と話す。

 この日の「ミールス食べ放題」イベントには定員の60人が参加。武田さんと鹿島さんは「南インドの食堂と同じように、ストップしない限りどんどん給仕するスタイル。『後で』とか、バナナの皮をたたんで『もう食べない』との意思表示をしないと、わんこそばのように際限なく給仕を続ける」と参加者に説明した。

 会場ではマサラワーラーの2人が、皿代わりのバナナの葉の上にタイ米を盛り付け、カブとピーマンなどを煮込んだ「サーンバール」や、サツマイモをタマリンドで煮た汁物「コロンブ」、ココナッツの「チャトニ(=チャツネ)」、ココナッツと豆と白菜を和えた「クートゥ」、揚げ物の「ワダ」や「アッパラム」、スープの「ラッサム」などを次々と提供し、参加者らはインドスタイルの手づかみで料理を楽しんだ。

 「ミールス食べ放題」イベントでは、タカハシさん、おぐまさん、齋藤さん、12月2日に同館でトークイベントを行った「タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる」(玄光社)著者の野瀬奈津子さんと松岡宏大さんがマサラワーラーの2人と一緒にミールスの給仕を行い、にぎわいを見せた。

 12月23日は、カメラマンでもある松岡さんが同館でトークイベント「『夜の木』の村を撮る」を行う。定員は先着100人。参加無料。企画展会場では現在、「夜の木」の原画を描いたゴンド族の画家が暮らすパタンガル村で松岡さんが撮影した夜の木々の写真を、絵本の原画と共に展示している。

 開館時間は9時30分~17時。月曜、12月29日~1月3日休館。観覧料は、一般=650円、高校・大学生=450円、小・中学生=200円(土曜は小中高校生無料)。2018年1月8日まで。

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