東京都立赤塚公園大門地区(板橋区大門)で現在、区の花に指定されているニリンソウが見頃を迎えている。
武蔵野台地の崖線に沿って東西に走り首都高5号線の高架の脇に位置する同公園大門地区は、都内最大規模の約200メートル・奥行き約10~20メートルにわたるニリンソウの自生地がある。
ニリンソウはキンポウゲ科の多年草で、名前のように1本の茎から2輪ずつ咲くことが多い。雑木林など落葉広葉樹の林縁や林床のやや湿り気のある場所に生え、開花期の4月から5月ごろには15センチほどの草丈に真っ白な小さい花を咲かせる。
かつては区内のいたるところで見られたが、宅地化などの影響により年々減少し、現在では同地区など数カ所に自生群落が残る。東京23区部においては「準絶滅危惧種」にも指定されており、同公園では自生地を守るために雑木林の手入れ作業のボランティアも募っている。
区はニリンソウが生育できる自然環境を大切に守り育てていきたいという願いを込めて、1995年に区の花として選定した。同じくニリンソウ群生地がある区立赤塚植物園でも来週いっぱいが見頃となる。