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板橋区でベンチャー企業の共同開発始動 産業都市として次のステージへ

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 「いたばしベンチャーフォーラム」をきっかけに生まれた新型植物工場システムの共同開発プロジェクトが発足し、2月14日、板橋区役所で合同記者会見が行われた。

記者会見で笑顔を見せるプロジェクトメンバーら

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 2016年10月に開かれた「いたばしベンチャーフォーラム」をきっかけに、参加企業同士の交流、板橋区へ移転する企業の増加など区内産業が活発化している。そうした中、フォーラム運営業者のリバネスと、参加した区内企業であるSORAAとTDNインターナショナルに、農地モニタリングデバイスを持つKakaxiが加わった4社の共同プロジェクトが発足した

 同プロジェクトは、運営業者であるリバネスが2009年から開発を進めている植物工場の技術的開発を目指すもの。植物工場では栽培が難しいとされる根菜類や果物類、穀類の生産に挑戦するという。

 研究の肝の一つとなるのが、SORRAの紫色LEDベースのランプ。同社は、青色LEDの開発でノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんの技術を基に設立されたベンチャー企業で、板橋区舟渡に日本法人を置いている。同社が開発製造した紫色LEDのランプが植物に与える影響を検証し、植物工場光源としての活用可能性を探る。

 SORRAの汲川雅一カントリーマネジャーは「紫色LEDのランプは今まで、高級ブティックやホテル、美術館・博物館などを中心に使われ、白色がとてもきれいに見えるランプとして、自然光にも見劣りしない見え方が評価を得てきた。今回新しく植物工場での利用ということで、自然光にも劣らない結果が出せれば」と意欲を見せる。

 モバイル端末でQRコードを読み取ることで、取扱説明書やリコール情報などにアクセスできるアプリ「すこどっと」を開発したTDNインターナショナルの渡辺吉明社長は「多言語化にも対応できる最新のQRコード。グローバル社会の中で10年、20年先にも使えるものになるよう、常に考えて開発している。今回は最先端のIOTでの使用の中で、さまざまな形で安全につながるよう活用できれば」と話す。

 同フォーラムの代表でもある、リバネスの丸幸弘CEOは「流通を革命しなければIOTデバイスは広まらない。商品が届いた先で、どう活用され、どんな問題が起き、どう対応するのか。そこまできちんとできることが流通には大事。今回のプロジェクトではそれを実現し、世界に発信できるものになると考えている。板橋発の世界標準を目指したい」と今後の抱負を話した。

 記者会見の前日となる13日には、ベンチャーと区内町工場との連携を進めるため、ものづくりベンチャーの拠点といわれる「DMM.Make Akiba」で、区内企業の人たちでものづくりに関する相談会を開いたという。

 同事業を進める板橋区産業戦略担当・諸橋達昭課長は、「相談会では、すぐに何かを量産するという話ではないが、面白いことを考えている若者が必要としている技術についてなど、町工場の人と一緒に話し、無限の可能性を感じた。さらなる新しいものづくりの担い手にどんどん集まってもらいたい」と話す。「板橋に立地していない企業も、板橋に集まって新しいものづくりの形を作り、それを世界に発信していきたい。今後は国内交流だけでなく、世界のものづくりベンチャーや先端企業との出合いも展開したい」と、海外への展開にも意欲を見せた。

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