昨年11月に開催された「東京2025デフリンピック」で金メダルを獲得した坂田翔吾選手と遠山莉生(りき)選手が2月17日、板橋区役所を訪れ、坂本健(たけし)区長を表敬訪問した。区はその功績をたたえ、「板橋区文化スポーツ国際交流栄誉賞」を贈った。
デフリンピックは、聴覚障害のあるアスリートの国際総合競技大会。デフ(Deaf)とは、英語で「耳が聞こえない」という意味。国際ろう者スポーツ委員会が主催し、4年ごとに開催されている。100周年記念大会として、初めて日本で開催された。
今回訪れたのは、男子4×100メートルリレーで金メダル、男子100メートルで8位入賞を果たした板橋区在住の坂田翔吾選手と、男子ハンマー投げで金メダルを獲得した板橋区出身の遠山莉生選手。
坂田選手は1歳で聴覚障害と診断され、高校で陸上を始めた。大学4年時に100メートルの自己ベストを更新し、その後、アジア選手権や世界選手権のリレーメンバーとしても優勝。日本を代表するデフアスリートとして活躍を続けている。遠山選手は先天性の感音性難聴があり、高校2年の秋、本格的にハンマー投げを開始。わずか半年後には全国高校総体に出場。筑波大学進学後は日本選手権2連覇を達成している。
坂本区長は手話であいさつを行い、2人の活躍に敬意と感謝を伝えた。「坂田選手は、リレーの第3走者として米国選手との差を縮め、流れるようなバトンパスが印象的だった。遠山選手は、初出場の大舞台で自己初となる圧巻の投てきで会場を沸かせていた。今回の快挙や盛り上がりを契機に、デフスポーツのさらなる発展に向けて区としても協力していきたい」と話した。
デフスポーツの発展についての意見も交わされた。坂田選手は「聴覚障害の子どもたちや選手たちが練習できる環境はまだ限られている。スタートを知らせる合図ランプや投てきを知らせる合図など環境整備が整っていくことや、デフのチームが増えていくことを期待している」と語った。
聴覚障害のある子どもたちに向け、遠山選手は「失敗を恐れずにいろいろなことに挑戦してほしい。失敗はいくらでも挽回できる。怖がらず、とにかくやってみてほしい」とメッセージを送った。坂田選手は「私自身ずっと陸上をやってきたわけではない。小さい頃から野球やバレーボールなど、聴者の方と一緒に、いろいろなスポーツを経験してきた。まずは自分が楽しめるスポーツに、たくさん触れていってほしい」と子どもたちにエールを送った。