旧高島平第七小学校跡地(板橋区高島平3)で12月13日、地域防災力の強化を目的とした「高まち防災デイキャンプ」が開催された。企画運営は「近場で始まる野あそび体験」をプロデュースする「野遊びキャラバン」。UDCTak(アーバンデザインセンター高島平)が運営を支援した。
第1部では「昼間の体験 ~外遊び&防災都チャレンジ体験」を実施。起震車や煙体験ハウスでは実際の災害同様の体験ができた。ミストサウナカー「NUKUMARU」やテントサウナでは、被災下で不足しがちとなる温浴効果も体験した。
災害時にがれきなどの撤去や人命救助で使われるショベルカーの体験を提供したのは、林管工設備社(大山町)。がれきに見立てたブロックを移動させるゲームを遊んだ児童は「僕も人を助けられるようになりたい」と真剣なまなざしを見せていた。
消防ブースでは最新のVR防災体験車が登場。16トンの巨大車体に搭載されたVR体験は、一般的な360度の立体映像だけではなく、風圧や熱などの体感演出によって地震や火災、風災害を疑似体験した。
16時からの第2部では、火おこしや炊き出しといった夜間を想定した訓練を行った。火おこしでは苦労の末に着火をすると歓声が上がった。「昔の人はすごいね」の声も。校舎では、同小卒業生のクリエイター「キノコ」さんによる謎解きクイズラリー「防災きのだめし」を展開。参加者はゲーム感覚で防災訓練を体験した。
19時からはUDCTakと大東文化大学社会学部の飯塚ゼミとが共同で開発した「ご近所さん安否確認ゲーム」を高い、防災イベントとしての振り返りを行った。
企画運営した野遊びキャラバンの菅野健太郎さんは「参加した児童の保護者から、普段はなかなか体験できない火おこしに挑戦し、成功体験につながったと言ってもらえたのがうれしかった」と振り返る。「いつもの外遊びのスキルが、非常時の味方になる導線を設計できた。非常時に備える意識が伝わればうれしい」とも。