板橋区立美術館(板橋区赤塚5)で2月25日から、企画展「長崎版画と異国の面影」が開かれる。
長崎版画は長崎絵とも言われる木版画で、中国や西洋、主としてオランダの異国的風物を主題とし、長崎港に入港するオランダ船や唐船、ギヤマンの杯や肉料理が並ぶ出島に関わる商人の食卓など、海外との貿易都市である長崎の異国趣味に溢(あふ)れた町の雰囲気を伝えるものが数多くある。
同展は、江戸時代中期から100年以上もの間、長崎で版行され主に土産物として親しまれてきた長崎版画をテーマにした企画展。長崎版画の源流とされる蘇州版画や、その影響が色濃い初期作品から報道性を盛り込んだ幕末の作品まで約100点の版画や、異国の面影を感じさせる肉筆作品約30点を展示する。
同館学芸員は「江戸時代の異国へのまなざしが感じられる長崎版画だが、まとまって紹介されることは大変珍しい」と話し、長崎版画の多彩な魅力を紹介する近年にはない試みとしている。
会期中のイベントには、申し込み不要の講演会や、担当学芸員によるスライドトーク、子どもとその保護者向けに版画に関するワークショップも予定している。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。観覧料は、一般=650円、高校・大学生=450円、小・中学生=200円、毎週土曜は小中高校生無料。3月26日まで。